EURO SELLERの為替・投資戦略ブログ

2005年6月の欧州憲法否決の際にユーロを売りまくった管理人の【新】為替・投資日記ブログです。くれぐれも投資行動は自己責任でお願いします。

人間は「市場規範」より「社会規範」を優先させる生き物

今週は市場観察はしていないのですが,週末にある本を読み返す機会があったので…

ダン アリエリー(著)「予想どおりに不合理―行動経済学が明かす『あなたがそれを選ぶわけ』」を読むととても面白い事例が書いてありました。

■ 全米退職者協会は複数の弁護士に,困窮している退職者の相談を30ドルで引き受けてくれないかと頼んだら弁護士たちは断った。でも,その協会の責任者がボランティアでお願いしたら圧倒的多数の弁護士が依頼を引き受けた。

■ イスラエルの託児所で,子供の迎えに来るのに遅刻する親が多かったので罰金を科すことにした。そうしたら罰金を払っても良いと考える親が増えて,かえって遅刻が増加した。

著者はこれらの事例を出して,人は誰かのためになる「社会規範」のためなら無償でも何かを引き受けるが,労働をお金に換算した「市場規範」の考えに従うと,同じことを実際に行ってもらうためには高価な対価が必要になると結論付けています。

言い換えると,「社会規範」に訴えるとコストはかからないが,いったん「市場規範」の考えに従ってお金で考えるように人を誘導するとコストが膨大にかかる
ということです。

例1: 住宅ローンを証券化すると,債権者も債務者も考え方が「市場規範」に従ってしまうため,劣悪な条件で高利のローンを組ませるようになり結果的に信用コストが増大する。相手を見て個別にローンを設定していた時代は「社会規範」が働くために,比較的安全なローンに限りリーズナブルな利率でローンを組ませるので信用コストは増大しない。

例2: 「景気回復のために定額給付金を受け取って使ってください」と言うと,人々の考えが「市場規範」に従ってしまうため,相当高額な給付金をバラまかないと景気回復には貢献しない。お金をバラまく代わりに,人々の必要にかなった事業分野の業種への転換を推奨するほうが,人々の「社会規範」に訴えるためにコストが安い。

さらに言い換えると,「市場規範」より「社会規範」に訴えてセールスや経営を行う企業の戦略もある
のですね。

例3: 高級感や快適感を前面に出すより,エコを前面に出して車を売る

例4: 伝統的な優良企業は臨時ボーナスより福利厚生を行き届かせて社員の忠誠心を育てる

なるほど,人間は「社会規範」を優先させる生き物です。破綻した「投資銀行」モデルは「市場規範」で全ての経済論理を組み立てていきましたが,未曾有の金融危機と不況に対抗していくためには,政治家も国民の「社会規範」に訴える政策をしないとダメかもしれませんね。

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