EURO SELLERの為替・投資戦略ブログ

2005年6月の欧州憲法否決の際にユーロを売りまくった管理人の【新】為替・投資日記ブログです。くれぐれも投資行動は自己責任でお願いします。

各国中銀がドル・スワップ金利の緊急協調利下げを発表

Fed, Five Central Banks Cut Rate on Dollar Swaps

本日2011年11月30日,カナダ銀行(BOC),イングランド銀行(BOE),日本銀行(BOJ),欧州中央銀行(ECB),米国連邦準備制度(FRB)およびスイス国立銀行(SNB)は協調して,国際金融システムに対する流動性供給能力を拡充するための政策を発表しました。

時限的な米ドル・スワップ取極に適用される金利は,米ドルOIS(オーバーナイト・インデックス・スワップ)レートに50BP上乗せしたものになるように,50BP引き下げられます。これは2011年12月5日以降実施されるすべてのオペに適用されます。また,2012年8月1日までの米ドル・スワップ取極の期限は2013年2月1日まで延長されます。

(日銀のアナウンス)
国際短期金融市場の緊張への中央銀行の協調対応策

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年末にかけて,ドル供給が逼迫することを見越してこのようなスワップ金利の利下げを行ったのですが,2008年のリーマン・ショック後の政策金利の年末の協調利下げの頃を思い出します。

(2008年の協調利下げ)
各国中銀相次いで大幅利下げ

また,2008年12月2日には日銀は臨時の政策委員会・金融政策決定会合を開いて以下のような決定をした後に,白川日銀総裁が臨時記者会見をしています。

1.民間企業債務の適格担保としての取扱いについて社債と企業向け証書貸付債権の適格要件のうち,格付の要件を従来の「A格相当以上」から「BBB格相当以上」に緩和する

2.民間企業債務を担保とする資金供給面の工夫として,民間企業債務の担保価格の範囲内で無担保コールレートの誘導目標と同水準の金利により,供給金額に制限を設けず年度末越えターム物資金を供給するオペレーションを導入する

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ギリシャの財政破綻懸念に始まる欧州金融危機により,ますます2008年の再来となるような金融市場のドル供給の逼迫感が感じられるようになってきました。

ドル円・ユーロドル・ドルスイスの展望【2011/11/28の週】(本業多忙につき遅延モード)

先週はドイツ国債の入札ででも「札割れ」が起こり,2週連続の地滑り的なユーロドルの下落を体験させていただきました。一方,ブラック・フライデーを迎えた米国は期間中のネット売上高が26%も上昇したとかでドルが堅調でした。ドル円も3週間ぶりの週足の陽線で76円台でロングした人はラッキーだったと思います。(WTI)原油価格は97ドル台で始まり,月曜日に98ドル台まで上げた後は反転して火曜日に95ドル台まで下落しました。その後は一度も98ドル台に達することなく再び97ドル台で週末を迎えました。金価格は1724ドル台で始まり,火曜日までに1668ドル台まで下落し,水曜日には1710ドル台まで回復するもののその後は一進一退で,結局1685ドル台まで下落して週末を迎えました。



ドル円は,予想が77.30円-76.50円で,実際は77.790円-76.750円(終値77.729円)でした。上限は約50PIPSドル安方向の誤差で,下限は約30PIPSドル安方向の誤差でした。予想通り76円台に下落してからの下値は重く,根強い買いに支えられて76円台半ばにさえ達しませんでした。実のところ今週になってから78円台をつけたのですが,このところ100PIPS前後の少ない週の値幅が継続していることから,76円台後半までの下落は今週はお休みでしょうか。下限については,先週より切り上げて77円台前半をサポートレベルとして予想しておきます。一方,上限については78円台前半でやれやれの戻り売りに押されることでしょう。よって,今週の上値は78.30円程度と予測し,下値は77.20円程度と予測します。



ユーロドルは,予想が1.3630ドル-1.3390ドルで,実際は1.35680ドル-1.32112ドル(終値1.32310ドル)でした。上限は約60PIPSドル安方向に外し,下限は約180PIPSドル安方向に外しました。まだ,1.30ドルは意識していないようですが1.32ドル台前半までの先週の下落は予想外でした。ドイツ国債までが信用度を取り沙汰される事態ではユーロはドルに対して全く抵抗できませんね。それでもテクニカルで考えると,下限については今週は1.32ドル台半ばより下がらないでサポートされると考えています。一方,上限については1.34ドル台後半の節を越えるには相当苦労すると考えています。よって,今週の上値は1.3470ドル程度と予測し,下値は1.3250ドル程度と予測します。



ドルスイスは,予想が0.9270フラン-0.9110フランで,実際は0.93292フラン-0.91063フラン(終値0.93067フラン)でした。上限は約60PIPSドル安方向に外し,下限は約10PIPS以下のほぼ予想通りの誤差でした。10月末以降のドルスイスは一貫して上昇基調にあり,フランがユーロの影響を受けている分を差し引いてもドルの堅調さが際立っています。おそらく商品相場が下落する傾向にある限りは対フランにおける一層のドル高も自然な流れです。下限については,先週の安値までは下落せず0.91フラン台前半でのサポートを想定します。一方,上限についても先週の高値を越えることはできず0.93フラン台前半までの上昇にとどまると考えます。よって,今週の上値は0.9320フラン程度と予測し,下値は0.9140フラン程度と予測します。

今週の経済指標としては,12月1日の木曜日(日本時間の金曜日0:00)には11月ISM製造業景気指数があります。ユーロ経済危機で11月の株式市場は良くないのですが他の先行指標や米個人消費には顕著なものがありますので悪い数字は出ないでしょう。12月2日の金曜日にはいつも通りの米11月雇用統計があります。失業率には大きな変化はないと思いますが,NFPに久しぶりにポジティブ・サプライズがあるといいと思います。ところで,世界最大の金融仲介取引業者の英ICAPが,ギリシャなどがユーロ圏から離脱して旧通貨を再び採用する事態を想定した電子取引システムのテストを行なっていると報道されました。今週もユーロ方面のイベントには目が離せないですね。

2011年10月YTDヘッジファンド成績

11月の後半を迎えましたので,2011年10月までのヘッジファンドの成績の推移を確認したいと思います。



図1が代表的な10種類のファンド成績の推移です。10月はさすがに3か月連続での収益ダウンは回避され各ファンドともそれなりの戦略で対応してきたようです。一時的に上昇した株式相場にあわせてロングオンリー戦略ファンドが1位になり,以下,2位がテクノロジーセクターファンド,3位がエネルギーセクターファンド,4位がヘルスケアセクターファンド,5位がエマージング市場ファンドの順となっています。悪いほうで言えば,モーゲージ組成ファンドが収益悪化のために今月は最下位に転落しましたが,それ以外のファンドがプラス収益だったのは単月で言えばかなり良いニュースです。しかし11月はご存知のようにまた下落相場に転換していますので,ロング主体のファンドの収益悪化は避けられないことでしょう。

次が,全セクターの10月までのYTDパフォーマンスの図2です。



8.68%:モーゲージ組成ファンド
3.85%:仕組み債非裁定ファンド
3.40%:ショートバイアスファンド
2.83%:仕組み債裁定ファンド
2.59%:企業合併裁定ファンド

1.57%:ヘルスケアセクターファンド
0.34%:マーケットニュートラルファンド
-0.05%:転換社債裁定ファンド
-1.02%:ディストレスドファンド
-2.38%:マクロファンド
-2.41%:イベント主導型ファンド
-2.54%:資産賃貸ファンド
-3.05%:マルチ戦略ファンド
-3.12%:オプション戦略ファンド
-3.44%:スモール・マイクロ企業限定ファンド
-3.53%:統計的裁定ファンド
-3.59%:スペシャル・シチュエーションファンド
-3.82%:CTA商品先物ファンド
-4.89%:ロング&ショート戦略ファンド
-6.14%:バリュー投資ファンド
-7.92%:ファイナンスセクターファンド
-8.18%:エネルギーセクターファンド
-8.48%:ロングオンリー戦略ファンド
-11.02%:エマージング市場ファンド
-12.11%:レギュレーションD限定ファンド
-18.84%:テクノロジーセクターファンド


9月までで2位の成績だったモーゲージ組成ファンドが1位になりました。仕組み債非裁定ファンドは1つ順位を上げて2位になり,3位のショートバイアスファンドは大幅に踏み上げられて首位から陥落です。4位の仕組み債裁定ファンドと5位の企業合併裁定ファンドは収益を増加させながら順位を守りました。引き続き,上位の数少ないファンド以外は全てマイナス収益という難しい展開になっており,ヘルスケアセクターファンドやマーケットニュートラルファンドなどは何とか持ちこたえています。ディフェンシブな戦略やポジションを偏らせない戦略が今年の方針として役立っているようです。成績の悪い方では,テクノロジーセクターファンドがダントツの最下位になり,下から2番目の成績のレギュレーションD限定ファンドと順位が入れ替わりました。エマージング市場ファンド,ロングオンリー戦略ファンド,エネルギーセクターファンド,ファイナンスセクターファンドの下位の顔ぶれも全く変わらず,オーソドックスな戦略ファンドが全てほぼ今年はマイナス収益で終わるのは確定でしょう。

ドル円・ユーロドル・ドルスイスの展望【2011/11/21の週】

先週はギリシャとイタリアの新政権の組閣も済んだものの具体的な財政再建の成果を上げたわけではなく,ユーロドルは行って来い相場の揺り戻しで下落基調が続きました。かと言ってドルが強いわけでもなく対円ではドル安・円高がじわじわとさらに進みました。日本も上場企業の企業のコンプライアンス問題やら円高で株式市場は大変でした。(WTI)原油価格は99ドル台で始まり,月曜日に97ドル台まで下げた後は反騰して木曜日に103ドル台まで上昇しましたが,その後は2日かけて急落して再び97ドル台まで下げて週末を迎えました。金価格は1788ドル台で始まり,水曜日まではじわじわと1754ドル台まで下落し,木曜日には1737ドル台まで続落した後に金曜日には一時1712ドル台までの最安値を記録しました。その後1724ドル台まで少し戻して週末を迎えました。商品価格が反落する展開では急激なドル安も望めないように思われます。



ドル円は,予想が77.70円-76.50円で,実際は77.480円-76.563円(終値76.898円)でした。上限は約20PIPSドル高方向の誤差で,下限は約10PIPSドル安方向の誤差でした。先々週からの円高傾向は変わりませんが,欧州金融市場と米国景気動向に比べると為替市場の日本への関心は薄く,76円台半ばでのサポートは堅調なようです。このところ100PIPS前後の少ない週の値幅が継続しており,テクニカルな妙味も少なく当面は下値も上値も引き続き重い展開が予想されています。下限については,76円台半ばでのサポートを再び底値として予想しておきます。一方,上限については77円台前半で上昇の勢いは止まってしまっています。よって,今週の上値は77.30円程度と予測し,下値は76.50円程度と予測します。



ユーロドルは,予想が1.3810ドル-1.3550ドルで,実際は1.37915ドル-1.34211ドル(終値1.35139ドル)でした。上限は約20PIPSドル安方向の誤差で,下限は約130PIPSドル安方向に外しました。先週のユーロドルは上限は誤差が少なかったものの下限についてはドル高方向への変動が大きく外す原因になりました。ドル円以上にテクニカルな上抜け・下抜けのポイントに注目する必要があり,下限については先週の安値を少し下げた1.34ドル直下を当面のサポート目標とします。一方,上限については先週火曜日の1.36ドル台半ば近くの高値を直ちに越えることは難しく,今週は1.36ドル台前半までの上昇を予想します。よって,今週の上値は1.3630ドル程度と予測し,下値は1.3390ドル程度と予測します。



ドルスイスは,予想が0.9150フラン-0.8930フランで,実際は0.92352フラン-0.89601フラン(終値0.91726フラン)でした。上限は約90PIPSドル安方向に外し,下限は約30PIPSドル安方向の誤差でした。先々週に比べるとドルがより堅調であり,商品相場が下落しているのとよく対応しています。12月を迎えるまでは実需のドルレパトリも無視できない状況であり,ドルスイスに関しては年末にかけての一層のドル高も想定内と言えましょう。下限については,先週の0.90フラン台後半までは下落せずに0.91フラン台前半でのサポートを想定します。一方,上限については10月2日の週の高値である0.93142フラン突破はまだ難しく今週は0.92フラン台後半までの上昇にとどまると考えます。よって,今週の上値は0.9270フラン程度と予測し,下値は0.9110フラン程度と予測します。

今週の経済指標には,11月22日の火曜日には米国の2011年第3四半期実質GDPの改定値発表がありますがそれほどブレるとは思わないので大きな材料とはならないでしょう。12月が近づき感謝祭の季節になるとネットでの個人消費高などが株式市場には大きな影響を与えますから,思わぬところからドル高になるかも知れません。個人的には今週は欧州問題も小休止とみて純粋に株式市場の影響を受ける為替市場の展開もありかなと考えています。

11月のフィラデルフィア連銀景況指数はプラスを維持も,予想は下回りやや失望感

Philadelphia-Area Manufacturing Grows at Slower Pace as Fed Index Declines

11月フィラデルフィア連銀景況指数: 3.6 (予想:9.0,前月:8.7)

11月のフィラデルフィア連銀景況指数は先月の8.7から低下して,予想の9.0をかなり下回った3.6のプラス圏でとどまりました。個人的にはポジティブ・サプライズを期待していましたが残念ながら市場にとってはやや失望感をもたらしました。先行指数については先月の27.2から41.9へと6か月後への期待感がより高まっており,先行きについては(突発的な外部要因がない限り)心配はしていません。(下図参照)



内訳としては,

新規受注: 1.3 (前月:7.8) -> 受注はほぼ停滞感
出荷指数: 7.3 (前月:13.6) -> 出荷も一気に約半分に
在庫指数: 6.6 (前月:-7.7) -> マイナスから普通のレベルに
雇用指数: 12.0 (前月:1.4) -> 雇用の先行きは決して悪くない

というように,雇用指数が大きく増加に転じたのでそれほど気にする指標ではありません。そして,今回用意された特別なアンケートでは工場稼働率と来年の設備投資に関する2つの質問がなされました。

Q1:昨年同時期と現在の工場稼働率はどの程度でしたか。
74.7%:現在の平均工場稼働率
73.1%:昨年同期の平均工場稼働率

Q2:来年の設備投資は今年に比べて増加しますか。減少しますか。
34.7%:増加するだろう
33.3%:減少するだろう
25.0%:変わらない

(参考:2010年の同じ質問)
37.8%:増加するだろう
19.5%:減少するだろう
35.4%:変わらない

と答え,工場稼働率は平均では昨年とそれほど変わらず,また設備投資に関しては来年が増加するという割合は減少するという割合とよくバランスしています。昨年同時期と比べると先行きが不透明になり,設備投資の拡大基調がそのまま約束されているわけではないことに注目できます。

総合すると別に経済指標的には悲観する必要はないのですが,眼前に欧州危機があるから来年の先行きまでは不透明でよくわかりませんね(=訊いてくれるなよ)というのが本音でしょう。

米10月小売売上高は予想以上で,ユーロ安を後押しし株式市場も好感

U.S. Retail Sales Beat Forecast on Autos

10月の小売売上高は「自動車を除くコア」が0.6%の増加で全体では0.5%の増加でした。予想がそれぞれ0.2%と0.3%と控えめでしたので十分に予想以上で株式市場には好感されましたが,為替市場ではドル全面高にはならなくてユーロドルの下落のある程度の後押しになった程度でした。経済指標が強ければ米国株式市場は素直に反応しますが,為替市場はもっと複雑で相対的なものです。

米10月小売売上高(自動車除くコア): 0.6% (予想:0.2%,前月改定:0.5%[改定前:0.6%])
米10月小売売上高: 0.5% (予想:0.3%,前月:1.1%)

Please wait for Cleveland Fed data update

定点観測となる小売売上高を確認する一方で…

European Growth Fails to Accelerate in Third Quarter as Debt Slows Demand

を見ると,ユーロ圏の経済をドイツだけで引っ張るのは無理と思いますし,

Monti Faces Resistance on Italian Cabinet as Market Honeymoon Turns Sour

を見ると,やはりイタリアのクオリティはギリシャと同じじゃないかと再確認することになります。わずか3週間前に1.42ドル台まで上昇したユーロドルが1.35ドル台をウロウロしているのもうなずける悪い材料の重なり方と言えそうです。

ドル円・ユーロドル・ドルスイスの展望【2011/11/14の週】

先週はとうとうギリシャに続いてイタリアの債務問題も大きくクローズアップされ,週末にはベルルスコーニ首相も辞任する事態となったものの,ユーロドルは乱高下した後には行って来い相場となるおかしな展開でした。ユーロ圏最大の国債市場であるイタリアの問題が解決すればギリシャなど破綻してもユーロ圏から追い出せば良いという明快な市場の判断でしょう。一方,ドル円は週を通じて続落でユーロドルが戻したのも加勢してじわじわと円高になっています。(WTI)原油価格は94ドル台で始まり,月曜日に93ドル台まで下げた後は94ドルを割ることはなく上昇し,ほぼ右肩上がりで99ドル台まで上げて週末を迎えました。金価格は1755ドル台で始まり,水曜日に1802ドル台まで上昇した後は下落に転じ,木曜日には1739ドル台の週最安値をつけた後に1788ドル台まで戻して週末を迎えました。



ドル円は,予想が78.50円-77.50円で,実際は78.172円-77.040円(終値77.161円)でした。上限は約30PIPSドル高方向の誤差で,下限は約50PIPSドル高方向の誤差でした。先週は全般的に円高傾向にありもはや「本物の」円売り介入もできないだろうと市場に見透かされてじわじわと円高になっています。協調介入でもない限り,一過性の円売り介入では先が見えてしまった感があるようです。ただし,ドル円自身はマーケットの主要関心事ではないので値幅は100PIPS程度に収まっています。週末を越して76円台に突入すれば78円台に再び上昇するのはやや困難を極めるでしょう。上限については,再び77円台後半で戻り売りされて上昇がストップすると見ています。一方,下限については76円台半ばまでは下落の余地を見ておきましょう。よって,今週の上値は77.70円程度と予測し,下値は76.50円程度と予測します。



ユーロドルは,予想が1.3870ドル-1.3680ドルで,実際は1.38579ドル-1.34833ドル(終値1.37541ドル)でした。上限は約10PIPSドル安方向の誤差で,下限は約200PIPSドル安方向に外しました。先週のユーロドルはドル高方向への変動が先々週に続いて相当大きくなりました。イタリアの財政健全化法案の可決で木曜日と金曜日にかけて大きく戻したものの(ギリシャと同じく)その実効性は保障されておらず今後もユーロが大きく売られる可能性は否定できません。予測が難しい場合は上限・下限ともテクニカルでポジションを取る必要があり,上限については先週木曜日の下落からすると,当面は1.38ドル台越えてから戻り売りにあうでしょう。一方,下限については先週の1.34ドル台後半までの下落は今週は更新するのが難しく,今週は1.35ドル台半ばまでの下落を予想します。よって,今週の上値は1.3810ドル程度と予測し,下値は1.3550ドル程度と予測します。



ドルスイスは,予想が0.8970フラン-0.8650フランで,実際は0.91509フラン-0.88921フラン(終値0.90106フラン)でした。上限は約130PIPSドル安方向に外し,下限は約240PIPSドル安方向に外しました。予想としてはスイスフランがもっと強くなると思ったのですがユーロが週末に戻したようには強くならずにドル高傾向が見られました。金や原油が再び上昇傾向にあるものの思ったより一方的でないのは,年末にかけて実需のドルレパトリも関係しているからかも知れません。下限については,先週の0.88フラン台後半までの下落は想定できずに0.89フラン台前半でのサポートを想定します。一方,上限については先週の木曜日の高値0.91509フランは当面の目標値だと思いますので,今週は0.91フラン台半ばまでの上昇を想定します。よって,今週の上値は0.9150フラン程度と予測し,下値は0.8930フラン程度と予測します。

今週の経済指標では,11月15日の火曜日は米10月小売売上高がありますが控えめな予想ですのでポジティブサプライズがあったら面白いです。11月16日の水曜日は日銀政策金利発表がありますが,金利据え置きの上に円高などの景気下振れ要因があっても日銀はいまさら動けない状況にありますから無視しましょう。日本時間の日付変わって11月18日の金曜日の11月フィラデルフィア連銀景況指数は予想通りの景気拡大レベルかどうかに注目したいと思います。イタリア債務問題が小休止したなら,一時的に米国経済指標に関心が向かってもおかしくないので市場の反応が楽しみです。

ドル円・ユーロドル・ドルスイスの展望【2011/11/07の週】

先週は月曜日の政府の円売り介入に始まり,パパンドレウ首相の国民投票発言&その後の撤回発言,新生ドラギECB総裁のサプライズ利下げなどエキサイティングな週でした。お陰で恥ずかしくなるような相場予測であったことは言うまでもありません。いつもながらストップを付けない取引は危険ですのでお気をつけ下さい。ドル円は77-78円台にレンジ移動しましたが,ユーロドルは1.41ドル台から1.36ドル台まで幅広くスイングしてレンジの見極めがしばらく難しそうです。(WTI)原油価格は93ドル台で始まり,火曜日までに89ドル台まで下落したあとは一貫して上昇し90ドルを2度割ることはなく,最後は94ドル台まで上げて週末を迎えました。金価格は1746ドル台で始まり,火曜日に1683ドルまで下落した後はやはり一貫して上昇し,金曜日には1767ドル台の週最高値をつけた後に1755ドル台まで戻して週末を迎えました。火曜日は一時パパンドレウ・パニックが起きて商品相場も連鎖的に手仕舞いが起こったのでしょうね。



ドル円は,予想が76.70円-75.20円で,実際は79.525円-75.557円(終値78.200円)でした。上限は約280PIPSドル安方向に外し,下限は約40PIPSドル安方向の誤差でした。先週は月曜日に安住財務相が「本物の」円売り介入を「納得が行くまで」繰り返したので大きく上方にレートがブレました。先週の展望時点で「市場は日本の財政当局を試している」と書きましたが市場の挑発に乗って実際に介入を行ったので,問題は再び円高になったときに同じ介入規模では介入が成功しない可能性が高いということです。まあ,しばらくは77円台か78円台にいれば大きな変動はないと思いますが,下限については,再び77円台後半でレート維持のためにシャドー介入をしていることも想定して77円台半ばあたりでのサポートを想定したいと思います。一方,上限については78円台前半でも相当上値が重くて78円台半ばまで上昇できれば今週は十分と見ています。よって,今週の上値は78.50円程度と予測し,下値は77.50円程度と予測します。



ユーロドルは,予想が1.4220ドル-1.4070ドルで,実際は1.41707ドル-1.36074ドル(終値1.47692ドル)でした。上限は約50PIPSドル安方向の誤差で,下限は約400PIPSドル安方向に外しました。ドル円は月曜日の介入後はある程度のボラで済みましたが,ユーロドルはパパンドレウ首相の発言でユーロが大きく下落したため下限が大きく予想を外しました。節目も当てにならず本当にレンジ予想が難しいですね。今週も内閣が信任された後には何が起きるか想像がつきませんが,当たろうと外れようと粛々とテクニカルでポジションを取っていく以外ありません。上限については,これだけ下落しては1.38ドル台の後半では戻り売りが激しくなり,1.39ドル台到達は大変難しいでしょう。一方,下限については先週の1.36ドル台前半までの下落は行き過ぎで,今週は1.36ドル台後半までの下落を予想します。よって,今週の上値は1.3870ドル程度と予測し,下値は1.3680ドル程度と予測します。



ドルスイスは,予想が0.8790フラン-0.8590フランで,実際は0.89592フラン-0.86094フラン(終値0.88588フラン)でした。上限は約170PIPSドル安方向に外し,下限は約20PIPSドル安方向の誤差でした。金や原油が再び上昇傾向にあるのにドルスイスが陽線で終わったことが興味深いです。先々週に書いた通りの商品価格が上昇するドル安主体の流れであれば,ユーロドルは上昇しドルスイスは下落しているはずです。ところが先週の動きからするとユーロ安主体の相場で若干潮目が変わったと感じられるのです。下限については,先週の0.86フラン台前半からサポートレベルを引き上げて0.86フラン台半ばでのサポートを想定します。一方,上限については先週の火曜日の高値0.89592フランが0.90フラン台が近づいての戻り売りの成果だとすれば,今週も0.89フラン台後半突破は難しいでしょう。よって,今週の上値は0.8970フラン程度と予測し,下値は0.8650フラン程度と予測します。

今週の経済指標では,11月10日の木曜日はBOEの政策金利発表がありますが0.50%で金利据え置きの予想です。ECB以外は相対的に平穏な政策金利発表会見で済むのでしょう。むしろ現在はギリシャ・イタリア関連の欧州のイベントが起きるかどうか注視している市場です。先週のように大きなイベントが起きるのであれば起きてから動き出すのもよいでしょうし,それまではテクニカルに従って機械的にポジションを取るのが良いでしょう。

10月失業率は若干低下,NFPは予想以下の数字も前月上方修正でドル堅調

U.S. Jobs Gains Show ‘Frustratingly Slow’ Growth

10月非農業部門雇用者数: 80K (予想:95K,前回:103K,前回改定:158K)
10月失業率: 9.0% (予想:9.1%,前回:9.1%)

Wait for ClevelandFed updates

10月の失業率は9月より0.1%低下の9.0%でしたが,NFPは予想よりやや低い80Kの増加でした。また,前月のNFPは103Kから158Kまで上方修正されています。欧州でギリシャ首相のドタバタ劇場が開かれている中で,予想は外しましたが現状維持に近い数字だと思います。ユーロドルはいったんユーロ高に振れたあと今度はドル高に方向転換です。雇用統計は発表後10分はまず様子見で良く,その後の本当の相場の流れに乗るようにしましょう。

製造業: 5000人 (前回:-3000人) ※製造業はマイナスからプラスへの振動で不安定
建設業: -2万0000人 (前回:2万7000人) ※建設業もこんどはマイナスに転換し不安定
金融業: 4000人 (前回:-5000人) ※金融業もマイナスから一時的なプラスに反転
リテール部門: 1万7800人 (前回:1万3300人) ※リテール部門はまあ堅調な流れ
民間部門: 10万4000人 (前回:19万1000人) ※実はサービスセクターのプラス差分が低下が影響
政府部門: -2万4000人 (前回:-3万3000人) ※政府部門は連続でマイナスを維持(もはやドヤ顔)

今月は,建設業が大きくマイナスになりましたが,リテール部門と輸送部門が上方に振れましたので増加率の低下は少しで済みました。プロサービス・教育・ヘルスケア部門などは引き続き拡大していますがその増加率は低下しています。全体としてはNFPは拡大基調であるもののそのペースはスロー過ぎると考えられます。オバマ大統領はこの統計を利用して,減税とインフラ建設の公共事業を含む4470億ドルの雇用創出プランを議会に承認させようとするでしょう。(この政策の財源の一部は富裕層への増税からまかなわれる予定なので共和党の反発は必至です。)首尾よくこの雇用創出プランが実施されても部分的でしょうし,ある程度の効果が出るのは6か月程度は先の話でしょう。それまでは大して変化のない雇用統計の定点観測で終わるかも知れませんね。

ECBは政策金利を景気のダウンサイドリスクで1.25%に利下げ…新生ドラギECBはギリシャ問題で多難な船出

ECB Unexpectedly Lowers Rate to 1.25% as Draghi Signals No Debt Backstops

11月3日にECBは政策金利を0.25%利下げして1.25%にしました。結局は2011年7月7日にトリシェ前ECB総裁が0.25%利上げしたのを戻したわけですから,彼が2008年に利上げしたのと同じ拙速だったかも知れないという気もしないわけではありません。ともかく新生ドラギECB総裁の8年の任期が始まりました。



ところで,質疑応答でドラギ総裁はECBは財政危機の最後の貸し手ではなく,ECBの本分は物価の安定を守ることだと明言しました。ギリシャ危機にECBが振り回されるのを苦々しく思っているに違いありませんが,ギリシャ危機を始めとする前途多難なユーロ圏の(彼の母国であるイタリアを含む)債務問題を首尾よく解決していけるか興味津々なところです。

最初だったので会見を全部ライブで聞きましたが,ドラギ総裁の会見はとても聞きやすい英語でありましたよ。

ですけど,中国系の2人の記者はどちらもECB総裁にユーロ圏の財政危機問題で中国の援助がいるかなどいう見え透いた質問をしました。

1)ECB総裁が「ぜひ援助をお願いします。」などと記者会見で言うわけはない。
2)そういう質問は中国の財政援助国としてのプレゼンスをアピールする政府のための「御用質問」に過ぎないので見苦しい。
3)本来は中銀総裁にする質問ではなく欧州首脳やG20の記者会見ですべき質問である。

以上の3点からもう少し空気を読んでもらいたいと強く思った次第です。

***

なお,会見のトランスクリプトは,ECBのホームページのここ にあります。

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