EURO SELLERの為替・投資戦略ブログ

2005年6月の欧州憲法否決の際にユーロを売りまくった管理人の【新】為替・投資日記ブログです。くれぐれも投資行動は自己責任でお願いします。

2011年8月YTDヘッジファンド成績

9月の後半を迎えましたので,2011年8月までのヘッジファンドの成績の推移を確認したいと思います。



図1が代表的な10種類のファンド成績の推移です。8月は当然のことながらボラが高い上に下落相場の株式市場のため各ファンドとも散々の出来でした。7月に続いてモーゲージ組成ファンドが1位をキープしたものの,トップの成績でも-0.22%とわずかながらマイナス収益でした。(つまり10種類全部のファンドがマイナス収益でした。) -0.56%とマイナス幅を縮小できた企業合併裁定ファンドが2位になりました。3位以下は全て-4%以上の大幅なマイナス収益となり,3位がロング&ショート戦略ファンド,4位がオプション戦略ファンド,5位がヘルスケアセクターファンドの順となっています。悪いほうで言えば,エネルギーセクターファンドがついに収益悪化のために今月は最下位に転落し,テクノロジーセクターファンドやロングオンリー戦略ファンドとともにワースト3を構成しています。9月の相場も更に悪いので,単月の成績でこれまでの収益も一気に失う深刻な事態になってきました。

次が,全セクターの8月までのYTDパフォーマンスの図2です。



10.18%:モーゲージ組成ファンド
4.82%:ショートバイアスファンド
3.48%:仕組み債非裁定ファンド
2.87%:仕組み債裁定ファンド
1.91%:ヘルスケアセクターファンド

1.46%:企業合併裁定ファンド
0.74%:資産賃貸ファンド
0.26%:マーケットニュートラルファンド
0.22%:転換社債裁定ファンド
-0.18%:CTA商品先物ファンド
-0.59%:スモール・マイクロ企業限定ファンド
-0.62%:ディストレスドファンド
-1.18%:マルチ戦略ファンド
-1.48%:マクロファンド
-3.12%:イベント主導型ファンド
-3.45%:スペシャル・シチュエーションファンド
-3.89%:統計的裁定ファンド
-4.08%:オプション戦略ファンド
-4.46%:ロング&ショート戦略ファンド
-5.59%:バリュー投資ファンド
-5.95%:エネルギーセクターファンド
-7.25%:エマージング市場ファンド
-7.64%:ロングオンリー戦略ファンド
-7.86%:ファイナンスセクターファンド
-10.04%:レギュレーションD限定ファンド
-11.09%:テクノロジーセクターファンド


1位は引き続きモーゲージ組成ファンドで変わりませんが,通年ではいつも成績の悪いショートバイアスファンドが2位に上がる波乱の展開です。3位の仕組み債非裁定ファンドと4位の仕組み債裁定ファンドは収益を少し減らしなんとか踏みとどまっています。5位にはヘルスケアセクターファンドが手堅く滑り込みました。例年の成績では下位にランクされるのCTA商品先物ファンドが少しマイナス収益ですがファンド全体では中位レベルの成績なのは,金相場や為替相場の変動で大きく収益が改善したからでしょう。また成績の悪い方では,テクノロジーセクターファンドが最下位になり,下から2番目の成績のレギュレーションD限定ファンドよりさらに落ち込みました。ロングオンリー戦略ファンドやエマージング市場ファンドに加え,ファイナンスセクターファンドの成績が下位に低迷していることからすると,年後半の金融機関のリストラは相当厳しいものになると予想されます。

ドル円・ユーロドル・ドルスイスの展望【2011/09/26の週】(2008年秋を夢想する週)

先週はギリシャ破綻に端を発する欧州金融システムに対する懸念がますます広がる一方,FOMCでは予想通りにFRBの保有有価証券の平均残存期間を延ばす「ツイスト・オペ」の導入が決定されました。米国株式市場ではダウ・S&P500・ナスダック総合指数とも週間ベースで大幅反落で,特にダウは金融危機真っ只中の2008年10月以降で最大の下落を記録しました。為替市場ではユーロドルが一段安で一時1.33ドルまで下落しユーロの弱さが際立ち,ドル円は76円割れ寸前まで円高が進みましたが基本的には焦点外の狭いレンジの動きでした。(WTI)原油価格は87ドル台で始まり,85ドル台と88ドルの間で推移して水曜日から木曜日にかけて80ドル台まで一気に下落し,結局もみあって80ドル直下で週末を迎えました。金価格は1812ドル台で始まり,水曜日までは1800ドルを割ってからも盛り返す展開が続きましたが,木曜日から大幅下落し最終的には1657ドル台まで下げて週末を迎えました。今週はもっと下げそうですが1週で8%も下げるとはついていけない相場ですね。



ドル円は,予想が77.40円-76.10円で,実際は76.967円-76.097円(終値76.601円)でした。上限は約40PIPSドル高方向の誤差で,下限はほぼピッタリの予測でした。2週続けて相場の焦点でないドル円は,珍しく76円台を上にも下にも抜けませんでした。こうなると全くお手上げです。値幅がないと機械的な損切りをするとしても損切りの和を超えるほどの利益を生み出すことが難しくなります。当面はドル円のポジションは取れませんがそれでも敢えてレンジの予測をするとすると,下限については,少ない動きの中でも欧州リスク逃避の動きから一瞬でも75円台後半をつければ良しとします。一方,上限については先週77円台前半までも行かなかった事実は大きいのですが,ドルへの回帰の動きは商品相場の下落により顕著ですので77円台前半での攻防を少し下げて予想したいと思います。よって,今週の上値は77.10円程度と予測し,下値は75.80円程度と予測します。



ユーロドルは,予想が1.3750ドル-1.3550ドルで,実際は1.37874ドル-1.33836ドル(終値1.35214ドル)でした。上限は約40PIPSドル高方向の誤差で,下限は約170PIPSドル安方向に外しました。引き続き市場にはユーロシステム全体への疑念が渦巻いており,先週の控えめな下限を大幅に割った安値を考慮すると個人的には10月初旬にかけて1.30ドル割れの可能性も見ているところです。今週は再び下値への挑戦となると思いますが,下限については,この月曜日に先週の安値は更新されたので今週は1.32ドル台後半への下落を期待したいと思います。一方,上限については先週の9月22日の高値1.35890ドルへのアプローチを見ると,既に1.36ドル越えの壁は厚くなっており1.35ドル台後半での失速は避けられないと考えます。よって,今週の上値は1.3580ドル程度と予測し,下値は1.3280ドル程度と予測します。



ドルスイスは,予想が0.8850フラン-0.8720フランで,実際は0.91810フラン-0.87979フラン(終値0.90261フラン)でした。上限は約330PIPSドル安方向の大外しで,下限は約80PIPSドル安方向に外しました。特に上限はユーロドルの下落によるドル高とユーロスイスの最低保証レート1.20フランからの乖離によるフラン安の相乗効果により大外しです。為替は複数の通貨の強弱で決まりますので2週続けてユーロスイスの固定レートを仮定してはいけませんでした。下限については,わかりやすい0.90フラン割れがどこまで下落するかを考えて0.89フラン台半ばを一応のサポートレベルとします。一方,上限についてはユーロドルの下落によるドルの堅調さを考慮して先週の高値0.91810フランは越えるとしても,戻り売りも考慮して0.92フラン台半ばで失速すると考えています。よって,今週の上値は0.9250フラン程度と予測し,下値は0.8950フラン程度と予測します。

今週の経済指標では,9月28日の水曜日の米8月耐久財受注は低めの予想なので予想を裏切ってポジティブサプライズによるドル高を期待したいと思います。9月29日の木曜日の2011年2Q米GDP発表は確定値なのでおそらくサプライズもなく終わるでしょう。やはり,純粋な経済指標より欧州各国の財務・中銀関係者の発言がイベントリスクになる神経質な相場であることを意識したいと思います。

FOMC statement, September 21, 2011

FOMC statement

2011年8月9日以来,約43日ぶりのリリースでした。今回は政策金利は据え置きでしたが,より重要なこととしてその段落より前にツイストオペ(短期国債を売って同額の長期国債を買うこと)に言及しています。また,景気回復の遅さへのいらだちが随所に感じられるだけでなく,景気後退へのダウンサイドリスクに対しても一層悲観的になっています。

1.景気回復については,前回の"considerably slower than the Committee had expected"から今回の"remains slow"と完全に停滞感を表現。(※1下線)
2.雇用情勢については,前回の"a deterioration in overall labor market conditions in recent months, and the unemployment rate has moved up."から今回の"continuing weakness in overall labor market conditions, and the unemployment rate remains elevated"とさらに失業率の高止まりの経過を指摘。(※2下線)
3.家計消費については,前回の"Household spending has flattened out"から今回の"Household spending has been increasing at only a modest pace in recent months"と多少の増加を指摘。設備投資とソフトウェア投資については前回と同じ表現。(※3下線)
4.インフレ要因については,今回の"Inflation appears to have moderated since earlier in the year as prices of energy and some commodities have declined from their peaks."は前回とほぼ同じ表現。(※4下線)
5.失業率については,前回の"The Committee now expects a somewhat slower pace of recovery over coming quarters than it did at the time of the previous meeting"から今回の"The Committee continues to expect some pickup in the pace of recovery over coming quarters but anticipates that the unemployment rate will decline only gradually toward levels"という表現で前回よりも願望が強くなった様子。(※5下線)
6.明らかな景況感の後退リスクは,前回の"Moreover, downside risks to the economic outlook have increased"から今回の"Moreover, there are significant downside risks to the economic outlook, including strains in global financial markets"へと世界的な金融市場の停滞を挙げてさらに悲観的表現へ変化。(※6下線)
7.今回初出のツイストオペの部分で,"The Committee intends to purchase, by the end of June 2012, $400 billion of Treasury securities with remaining maturities of 6 years to 30 years and to sell an equal amount of Treasury securities with remaining maturities of 3 years or less."と3年以内の短期国債を4000億ドル売って,同額の6年から30年の長期国債を買うことを2012年6月まで継続すると明言。(※7下線)
8.ツイストオペの目的も,"This program should put downward pressure on longer-term interest rates and help make broader financial conditions more accommodative."のように,長期金利を下げてより金融市場を緩和する目的と主張。まあ,短期金利が下がった瞬間を見計らって代わりに長期金利を下げる高度な芸当ですな(※8下線)
9.今回さらりと追加されているのは,国債とともにABS(資産担保証券)の再投資も行うことを明示したこと。(※9下線)
10.レートは今回も0.25%で据え置きで(2013年の半ばまで継続予定が決定しているので)FOMC文内の優先順位は低い。今回も"warrant exceptionally"と"at least through mid-2013"の明確な時間軸効果はそのまま継続。(※10下線)
11.強い景気回復のためのツールに関して,(もうそんなに効果のあるものはないと思うけど)前回と同じ表現で「あるある詐欺」を繰り返しているような文言。(※11下線)
12.前回と同じ3名のFOMCメンバーが,時間軸効果の明言を含む今回の決定に引き続き反対している。(※12下線)

For immediate release
Information received since the Federal Open Market Committee met in August indicates that economic growth ※1remains slow. Recent indicators point to ※2continuing weakness in overall labor market conditions, and the unemployment rate remains elevated. ※3Household spending has been increasing at only a modest pace in recent months despite some recovery in sales of motor vehicles as supply-chain disruptions eased. Investment in nonresidential structures is still weak, and the housing sector remains depressed. However, ※3business investment in equipment and software continues to expand. ※4Inflation appears to have moderated since earlier in the year as prices of energy and some commodities have declined from their peaks. Longer-term inflation expectations have remained stable.

Consistent with its statutory mandate, the Committee seeks to foster maximum employment and price stability. ※5The Committee continues to expect some pickup in the pace of recovery over coming quarters but anticipates that the unemployment rate will decline only gradually toward levels that the Committee judges to be consistent with its dual mandate. ※6Moreover, there are significant downside risks to the economic outlook, including strains in global financial markets. The Committee also anticipates that inflation will settle, over coming quarters, at levels at or below those consistent with the Committee's dual mandate as the effects of past energy and other commodity price increases dissipate further. However, the Committee will continue to pay close attention to the evolution of inflation and inflation expectations.

To support a stronger economic recovery and to help ensure that inflation, over time, is at levels consistent with the dual mandate, the Committee decided today to extend the average maturity of its holdings of securities. ※7The Committee intends to purchase, by the end of June 2012, $400 billion of Treasury securities with remaining maturities of 6 years to 30 years and to sell an equal amount of Treasury securities with remaining maturities of 3 years or less. ※8This program should put downward pressure on longer-term interest rates and help make broader financial conditions more accommodative. The Committee will regularly review the size and composition of its securities holdings and is prepared to adjust those holdings as appropriate.

To help support conditions in mortgage markets, ※9the Committee will now reinvest principal payments from its holdings of agency debt and agency mortgage-backed securities in agency mortgage-backed securities. In addition, the Committee will maintain its existing policy of rolling over maturing Treasury securities at auction.

The Committee also decided to keep the target range for ※10the federal funds rate at 0 to 1/4 percent and currently anticipates that economic conditions--including low rates of resource utilization and a subdued outlook for inflation over the medium run--are likely to ※10warrant exceptionally low levels for the federal funds rate ※10at least through mid-2013.

※11The Committee discussed the range of policy tools available to promote a stronger economic recovery in a context of price stability. It will continue to assess the economic outlook in light of incoming information and is prepared to employ its tools as appropriate.

Voting for the FOMC monetary policy action were: Ben S. Bernanke, Chairman; William C. Dudley, Vice Chairman; Elizabeth A. Duke; Charles L. Evans; Sarah Bloom Raskin; Daniel K. Tarullo; and Janet L. Yellen. Voting against the action were ※12Richard W. Fisher, Narayana Kocherlakota, and Charles I. Plosser, who did not support additional policy accommodation at this time.

ドル円・ユーロドル・ドルスイスの展望【2011/09/19の週】(3連休のため短縮モード)

先週はますますギリシャの破綻が市場には徐々に織り込まれていくなかでユーロ首脳がなんとか時間稼ぎをする週でした。一方,米国の経済指標もパッとせず,相対的にはユーロドルは先々週の下落のあや戻しでドル円は再び円高気味でした。それなりに相場が動いた週の翌週は利益確定した人や市場から退場した人がいるため様子見モードが強まる傾向にあります。(WTI)原油価格は87ドル台で始まり,火曜日・木曜日はいったんは90ドル台まで上昇したものの景気減速の不安から一段の上昇は見込めず,金曜日には再び87ドル台まで下がって週末を迎えました。金価格は1856ドル台で始まり,火曜日に1800ドル台の攻防になってから翌日にはいったん1844ドル台まで自律回復したものの,金曜日には1764ドル台の安値をつけるなど全般的に下落傾向にあり,それでも引け間際に1812ドル台までなんとか戻して週末を迎えました。



ドル円は,予想が77.90円-76.80円で,実際は77.573円-76.560円(終値76.829円)でした。上限は約30PIPSドル高方向の誤差で,下限は約20PIPSドル高方向の誤差でした。先週に引き続いて相場の焦点でないドル円は,比較的テクニカルな動きに終始しました。個人的には77ドル台後半まで上昇してもおかしくないとは思いましたが,米国経済の停滞感も本格的で78円の壁には近づきもしませんでした。欧州も米国も経済上の不安があるとなればこれまで金やフランに向かっていたリスクマネーが円に再び退避する流れも十分想定しないといけません。下限については,そんな円高の流れを反映した76円台前半のギリギリの攻防が楽しめそうです。一方,上限については77円台後半までは届かずに77円台前半での攻防を予想したいと思います。よって,今週の上値は77.40円程度と予測し,下値は76.10円程度と予測します。



ユーロドルは,予想が1.3720ドル-1.3450ドルで,実際は1.39368ドル-1.34985ドル(終値1.37949ドル)でした。上限は約220PIPSドル高方向に外し,下限は約50PIPSドル高方向の誤差でした。ユーロドルの自律回復と米国経済への弱気予想が相まって金曜日以外の日足はどれも陽線という結果となりました。それでも簡単には1.40ドル台は回復できない状況です。おそらく当面は1.34ドルから1.40ドルの範囲のどこかのレンジで推移することでしょう。下限については,今週は1.34ドル台の直近最安値を伺う展開にはならず1.35ドル台半ばでサポートされると考えます。一方,上限については今週も週明けの下落ギャップを埋めに行く流れに期待して1.37ドル台半ばまでの上昇を予想します。よって,今週の上値は1.3750ドル程度と予測し,下値は1.3550ドル程度と予測します。



ドルスイスは,予想が0.8920フラン-0.8750フランで,実際は0.89274フラン-0.86474フラン(終値0.87614フラン)でした。上限は約10PIPS以内のドル安方向の誤差で,下限は約100PIPSドル高方向に外しました。ユーロドルの意外な上昇分により下値の誤差はありましたがEUR/CHFの安全弁はよく働いているようです。しばらくEUR/CHFとEUR/USDの合算方式で上限・下限を決めるのがシンプルでわかりやすいでしょうか。今週もUSD/CHF=EUR/CHF(=1.20フラン)÷EUR/USDと考えて上限と下限を算出しましょう。下限については,1.20÷1.3750=0.87フラン台前半を大まかなサポートレベルとします。一方,上限については1.20÷1.3550=0.88フラン台半ばを同じくレジスタンスレベルとします。よって,今週の上値は0.8850フラン程度と予測し,下値は0.8720フラン程度と予測します。

今週の経済指標で注目するものは個人的にはなくて,金融政策のイベントとしては9月22日の木曜日未明にはFOMCがあります。このところ米国経済に対する金融政策も手詰まり状態ですし,景気の先行き不安は主に欧州方面から流れてくるものですので,オバマ大統領が議会証言した「財政赤字の縮小問題」や「ユーロ圏の金融不安」がこれまでの文言に加えて追加される程度で,もちろん金利も据え置きでしょう。欧州に目を転じると,欧州各国首脳はいろいろ時間稼ぎをしているようですが,10月初めの週まで少なくとも9月中はイベントドリブンなユーロドルの過剰反応に十分な注意をしたいと思います。

9月のフィラデルフィア連銀景況指数は予想よりやや悪く,前月より改善もマイナスを継続中

Manufacturing in Philadelphia-Area Contracted in September

9月フィラデルフィア連銀景況指数: -17.5 (予想:-15.0,前月:-30.7)

9月のフィラデルフィア連銀景況指数は先月の-30.7ほど酷くはありませんが,予想の-15.0をやや下回ったままの-17.5のマイナスまでの改善にとどまりました。とは言えマイナスレベルでの予想がほぼ当たったとも言え,株式・為替市場には織り込み済みだった感があります。先行指数については先月の1.4から21.4へと再び上昇に転じたというのがほんの少し良い材料でしょうか。(下図参照)



内訳としては,

新規受注: -11.3 (前月:-26.8) -> 受注はまだ2けた台のマイナス
出荷指数: -22.8 (前月:-13.9) -> 出荷は受注と入れ替わり大きくマイナス
在庫指数: 10.2 (前月:-9.8) -> 在庫はプラスに転じる
雇用指数: 5.8 (前月:-5.2) -> 雇用は底を脱してきたか

というように,新規受注と出荷指数がよくないままです。そして,今回用意された特別なアンケートでは「2011年の第3四半期の製造は第2四半期に比べてどうなる見通しか。(データを元にした予想)」という質問がなされましたが,41.1%の人が「拡大する」と答え,同じく41.1%の人が「縮小する」と半々の答えでした。また,「2011年の第4四半期の製造はその第3四半期に比べてどうなると期待しているか。(データを元にしない期待感)」という2番目の質問に対しては,残念なことに48.7%の人が「縮小する」と答え,同じく37.8%の人が「拡大する」と答えました。

やはり,国内消費の落ち込みの予想は製造業にも影を落としていますが,米8月小売売上高の発表時と同じように余り相場の材料にはなっていません。こういう週の定点観測は別に市場でポジションを取るために行うのではありません。当たるか当たらないかに関わらず,米国経済の見通しをいち早く把握しておき,欧州方面のイベントリスクが軽減されたときに市場が過剰に反応するシナリオがあるかどうか準備しておくべきなのです。

米8月小売売上高は予想以下で停滞中,しかし主要な市場の関心事とはならず

U.S. Retail Sales Stall on Lack of Job Growth

8月の小売売上高は「自動車を除くコア」がわずか0.1%の増加で全体では先月から増加しませんでした。前月の指標はコアも全体も0.5%の増加から0.3%の増加にそれぞれ下方修正されましたので,今夏は急速に売上高が増加から停滞にシフトしてきたということです。失業率が高止まりなので仕方がない現状と言えるでしょう。

米8月小売売上高(自動車除くコア): 0.1% (予想:0.2%,前月改定:0.3%[改定前:0.5%])
米8月小売売上高: 0.0% (予想:0.2%,前月改定:0.3%[改定前:0.5%])

Please wait for Cleveland Fed data update

言うまでもなく,欧州方面から聞こえてくるギリシャのデフォルト危機を前提とした市場の動きとデフォルトは何とか避けたい欧州各国財務相との水面下での駆け引きが今週の焦点です。それにしても,欧州金融市場は流動性の問題というよりデフォルト危機からくる銀行ソルベンシーの問題を抱えているようにも思えます。2010年の欧州ストレステストの検査がギリシャ国債のデフォルトを設定しなかったことが,ここへ来て裏目に出ていると言えるでしょう。

ドル円・ユーロドル・ドルスイスの展望【2011/09/12の週】

先週は火曜日にSNBのEURCHFの1.20フラン維持のための介入宣言でユーロが暴騰してフランと円が安くなった一方で,木曜日にはトリシェECB総裁の弱気発言でユーロが一転して売られたためユーロドルは再度1.40ドルを割り込みました。その翌日の金曜日にはドイツ出身のシュタルクECB理事がECBの国債購入方針に反対して辞任したので,ユーロ圏の財政危機不安が拡大し,ユーロドルは1.36ドル台まで下落しました。これら全てはドルの巻き返しに大きく貢献しています。(WTI)原油価格は86ドル台で始まりいったんは83ドル台まで下落したものの,火曜日になってから反騰し水曜日・木曜日には90ドル台まで達しました。しかし金曜日には87ドル台まで下がって週末を迎え,週単位できれいな正弦波形を描いた相場でした。金価格は1883ドル台で始まり,火曜日には1920ドル台の最高価格まで上昇しましたが翌日反落して1796ドル台まで落ち込みました。その後はフランやユーロに流れたマネーが流入したのか1885ドル台まで上昇してから少し戻して1856ドル台で週末を迎えました。



ドル円は,予想が77.30円-76.30円で,実際は77.845円-76.680円(終値77.478円)でした。上限は約50PIPSドル安方向の誤差で,下限は約40PIPSドル安方向の誤差でした。円安が進んだのにはフランの下落という要素が強かったもののテクニカルの範囲だったのは円ドルが相場の焦点からややずれていた証拠です。その中で当面の上限の壁が78円付近にあることもわかりましたし,いったん77円台に上昇すると76円台では全般的に底堅くなる動きも観察できます。鉢呂経産大臣の辞任も市場関係者は政局に慣れっこになっているのでECB理事の辞任とは比較にはなりません。上限については,77円台後半の戻り売りには今週も抵抗できないと考えます。一方,下限については76円台後半でのしっかりしたサポートを予想したいと思います。よって,今週の上値は77.90円程度と予測し,下値は76.80円程度と予測します。



ユーロドルは,予想が1.4230ドル-1.4010ドルで,実際は1.42537ドル-1.36260ドル(終値1.36605ドル)でした。上限は約20PIPSドル高方向の誤差で,下限は約380PIPSドル安方向に外しました。上限は予想通り週明けのギャップを埋める動きでしたが,下限はECB理事辞任のために大きく予想が外れました。市場ではこの辞任はギリシャの破綻への道が早まったとの観測につながってユーロが再び1.40ドルを回復するのが相当遠のくと言われています。週末のG7も全く意味をなさず,ユーロがどこまで下がるかに注目です。下限については,今年2月13日の週の安値の1.34274ドルを最下限としてなんとか1.34ドル台半ばでサポートされると予想します。一方,上限については今週も週明けのギャップを埋める必要がありますので1.37ドル台前半までは上昇できると思います。よって,今週の上値は1.3720ドル程度と予測し,下値は1.3450ドル程度と予測します。



ドルスイスは,予想が0.7980フラン-0.7780フランで,実際は0.88632フラン-0.78196フラン(終値0.88318フラン)でした。上限は約880PIPSドル安方向に外し,下限は約40PIPSドル安方向の誤差でした。上限の外しっぷりはこのブログを書き始めて以来最大の誤差だと思います。それだけSNBの口先介入が最高の出来であったということにもなりますし,どんな為替ポジションを取るときにも必ずロスカットレベルを決めておくべきだという教訓ともなる1週間でした。これだけ大きく動くと翌週が予想しにくいものですが,今週は特別にUSD/CHF=EUR/CHF(=1.20フラン)÷EUR/USDと考えて上限と下限を算出しましょう。下限については,1.20÷1.3720=0.87フラン台半ばを大まかなサポートレベルとします。一方,上限については1.20÷1.3450=0.89フラン台前半を同じくレジスタンスレベルとします。よって,今週の上値は0.8920フラン程度と予測し,下値は0.8750フラン程度と予測します。

今週の経済指標の予定としては,9月14日の水曜日には米8月小売売上高がありますが,前月より良くない事前予測なのでポジティブサプライズを期待します。9月15日の木曜日にはフィラデルフィア連銀景況指数がありますが,前月の悪い指標から多少改善されるという事前予測なのでこちらはネガティブサプライズを期待します。ただし,米国経済は今週の相場の焦点とは思えないので,ドル円についてはしっかりとしたテクニカル分析をすれば予想の範囲の動きになると考えています。一方,ユーロドルとそれに連動したドルスイスについては,ユーロ圏の新たなニュースが相場を大きく動かす要因となるでしょう。また,ユーロやフランに対する市場の見方が変わったため原油及び金相場についても潮目となる週かもしれませんので,特に下落の流れには敏感でありたいものです。

ECBは政策金利を1.50%で据え置き…トリシェ総裁はSNBの半固定為替相場政策を容認

Trichet Opens Path for Further Steps as Euro Region’s Growth Forecasts Cut

9月8日にECBは政策金利を1.50%に据え置きました。金融政策は引き続き緩和的であるとの判断ですが,金融市場の流動性の問題や欧州経済の不確実性と強い下振れリスクを強調する一方,インフレリスクが和らいだとの認識を示しました。経済成長と雇用の確保に軸足を置くことを明言し,ユーロ圏内のソブリン債務危機がさらに悪化した場合に当局が一段の流動性供給をする姿勢を示しました。予想よりいっそうハト派なメッセージにユーロドルは1.40ドルを割ることになりました。



またユーロの経済成長予測を2011年は1.9%から1.6%まで下方修正し,2012年は1.7%から1.3%まで下方修正しました。全面降伏じゃないか…先月の強気な会見は何だったのだと不思議さがこみ上げてきます。返す刀でSNBの半固定為替相場政策を容認して,これはユーロが更に弱くなってフラン高になる懸念に理解を示しました。まあ,通貨流通量が圧倒的に違いますので,日本の財務省がユーロの小国スイスと同じ自国通貨無制限売りによって円高阻止できると思いませんのでそこのところよろしくです。

ドル円・ユーロドル・ドルスイスの展望【2011/09/05の週】

先週は米経済指標も一向にパッとせず米株式市場は軟調でしたが,ユーロ圏の金融市場の流動性にも引き続き不安が広がり,ユーロドルはレンジ上限から大きく下落しています。ドル円はこれまで円高が過ぎましたので下限が底堅い上に値幅も取れていないようです。(WTI)原油価格は85ドル台で始まり一進一退で89ドル台まで上昇した後,90ドルの壁を破れずに金曜日には88ドル台から急落して,最後は86ドル台で週末を迎えました。金価格は1829ドル台で始まり,月曜日には1778ドル台まで下落しましたがその後は反転し,金曜日には週初めの水準から一気に高騰して1883ドル台で週末を迎えました。



ドル円は,予想が77.50円-75.50円で,実際は77.223円-76.411円(終値76.813円)でした。上限は約30PIPSドル高方向の誤差で,下限は約90PIPSドル安方向に外しました。上値は引き続きテクニカルな動きであったものの,76円台前半でのサポートは強力で先週と同じように円高は進みませんでした。野田新政権も誕生しましたが市場はそれほど過剰な期待も失望もせず,為替相場には影響していません。ドル円が静かなのは市場の関心が通貨ペアでないユーロにあるということの裏付けでもありますね。上限については,77円台半ばないし前半での戻り売りは今週も健在だと思いますのでそのあたりでの戻り売りを予想します。一方,下限については76円台前半でのサポートを再び予想したいと思います。よって,今週の上値は77.30円程度と予測し,下値は76.30円程度と予測します。



ユーロドルは,予想が1.4620ドル-1.4320ドルで,実際は1.45481ドル-1.41832ドル(終値1.41938ドル)でした。上限は約70PIPSドル安方向に外し,下限は約140PIPSドル安方向に外しました。上限は引き続き1.45ドル越えのレジスタンスは利いている一方で,下限は月曜日を除く4日連続のフリーフォールにより大幅に下がりました。ユーロイベントはいったんは一巡したと思っていたのに,ECB首脳の慎重な発言でユーロには大変なアゲンストの週となりました。下限については,サポートラインを大きく割ったので再び1.40ドル割れの事態が迫っていますが,なんとか1.40ドル台前半でのサポートを予想します。一方,上限については週明けのギャップを埋める動きはある程度予想できますので1.42ドル台前半までは考慮に入れましょう。よって,今週の上値は1.4230ドル程度と予測し,下値は1.4010ドル程度と予測します。



ドルスイスは,予想が0.8250フラン-0.8050フランで,実際は0.82397フラン-0.77103フラン(終値0.78920フラン)でした。上限は約10PIPSドル高方向の誤差で,下限は約340PIPSドル高方向に大きく外しました。ユーロドルが週全般でユーロ安の方向に動いたのに対し,ドルスイスはフラン高の方向ですから同じ欧州通貨でも対照的な動きです。ユーロ圏で通貨がペッグしていることが今となってはリスクと捉えられていてフランにマネーが退避しました。下限については,先週ほど下落しないとしても0.77フラン台後半までの下落は予想できる範囲です。一方,上限についてはサイコロジカルな0.80フランを再び割った関係で,0.79フラン台後半での失速を予想します。よって,今週の上値は0.7980フラン程度と予測し,下値は0.7780フラン程度と予測します。

今週の予定としては,9月7日の水曜日には日銀政策金利発表があります。野田新政権誕生後の初めての白川総裁の記者会見でもありますので,(金融政策には目新しさはないと思われますが,)新政権に関する記者の質問とそれに対する総裁の受け答えが楽しみです。9月8日の木曜日にはECB政策金利発表もありますが,このところのトリシェ総裁は景気の先行きやユーロシステムの安定性についてやや慎重な発言が続いていますので,一転してトリシェ総裁タカ派発言が出ると市場は大きく反応するのではないかと期待しています。

最後に,先週の台風12号の影響で異例の数の死者や行方不明者が出ていますが,一日も早くライフラインが回復して救助作業が進むことを願っています。いつも頑張っておられる自衛隊の方には頭が下がります。

8月失業率は変化なしだが,NFPが増加なしに転じる最悪の展開…

U.S Employment Stagnated in August

8月非農業部門雇用者数: 0K (予想:68K,前回:117K,前回改定:85K)
8月失業率: 9.1% (予想:9.1%,前回:9.1%)

Wait for ClevelandFed updates

8月の失業率は7月と同じ9.1%でしたが,NFPは前月と同じ数字でした。また,前月のNFPも117Kから85Kへ下方修正されています。前々月の上方修正とは対照的に季節調整済でもこのような変動が多いのは中の人の苦労も大変なものですね。為替市場にはある程度織り込み済みなのでレートに大きな動きはない模様ですが,いつも過剰に反応する株式市場にはわかりやすい下落要因となりました。他の経済指標が上向かないと雇用統計は良くならないので,このままでは来月も厳しいと言えましょう。

製造業: -3000人 (前回:3万6000人) ※先月の反動で増加から減少に転じる
建設業: -5000人 (前回:7000人) ※隔月ごとにプラスマイナス振動中
金融業: 3000人 (前回:-7000人) ※不安定な金融環境なのに増加なのは意外
リテール部門: -7800人 (前回:2万6400人) ※今月のNFPに決定的なダメージ
民間部門: 1万7000人 (前回:15万6000人) ※プロサービス・教育部門が食い止めた
政府部門: -1万7000人 (前回:-7万1000人) ※政府部門は未だプラスに浮上せず

今月は,製造業・建設業・リテール部門などのマイナス分をプロサービス・教育・ヘルスケア部門が相殺しているのでなんとか前月水準のNFPが保てたということで,大変厳しい雇用市場の現状および職種間格差を感じます。また,IT産業を含む情報業が-4万8000人と(大型企業買収や事業の廃止のニュースの裏で)大きなリストラがあったのでしょう。一方,政府部門は雇用の受け皿としては引き続き全く頼りにならず,雇用の減少は止まっていません。実際,金融政策としてQE3を行ったとしても雇用の増加に直接的な効果はないでしょうから,今必要なのはFRBの金融政策というよりも米政府の雇用対策の方です。

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管理人のニックネームEURO SELLERの由来は,2005年6月の欧州憲法の否決の際にユーロを売りまくったことからきています。もう一つのシステムトレードのブログはこちらです。

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