EURO SELLERの為替・投資戦略ブログ

2005年6月の欧州憲法否決の際にユーロを売りまくった管理人の【新】為替・投資日記ブログです。くれぐれも投資行動は自己責任でお願いします。

ドル円・ユーロドル・ドルスイスの展望【2011/05/30の週】

先週はギリシャが「もうダメかもわからんね」状態にあるものの相場にはある程度は織り込み済みとして認識されたのかユーロドルはそれなりに戻しました。一方,ドルは円に対しても先々週の円安をリセットしてしまうくらい弱い週でした。耐久財受注減やFRBのバランスシートの拡大などネガティブなニュースも影響したようですね。米国株式市場も一部銘柄ではIPOなどのイベントがありましたが調整が続いています。(WTI)原油価格は99ドル台で始まり,いったん96ドル台まで下落したのですが続伸して101ドル台に上昇してから100ドル台に戻して週末を迎えました。金価格は1512ドル台で始まり,1504ドル台まで下落したものの1538ドル台の高値まで上昇し結局1536ドル台まで少し戻して週末を迎えました。



ドル円は,予想が82.50円-80.90円で,実際は82.202円-80.694円(終値80.813円)でした。上限は約30PIPSドル高方向の誤差で,下限は約20PIPSドル高方向の誤差でした。先々週の円安は米国の景気回復が踊り場に差し掛かったかもしれないとの懸念から円高方向に振れてしまいました。もちろんテクニカルに見てレンジ相場をキープする穏やかな変動であり,スカルピングには向いていますがほとんどのトレーダーに取っては参入する価値のないダメ相場と言えるでしょう。引き続きこのレンジ相場を念頭に置きましょう。下限については,いったん切り上がった下値が円高傾向で戻しており今週は80円台前半までサポートレベルを下げておきます。一方,上限については再び82円台へ上昇するのがやや困難になったと考えており81円台後半での失速を予想します。よって,今週の上値は81.90円程度と予測し,下値は80.30円程度と予測します。



ユーロドルは,予想が1.4250ドル-1.4050ドルで,実際は1.43077ドル-1.39686ドル(終値1.42958ドル)でした。上限は約60PIPSドル高方向へ外し,下限は約80PIPSドル安方向へ外しました。大外しでもなければピッタリでもないという微妙なレンジの外し方ですが,予測レンジを完璧にすることなど不可能ですから,今回のように予測上限より上昇し予測下限より下落するという動きのほうがブレイクアウトでポジションを取る場合は好都合だと考えます。というわけで今週も余り広めに予想するのは止めましょう。下限としては,先週が高値圏で終了していることもあり1.41ドル台半ばで再度サポートされると予想します。一方,上限については先週のように1.43ドル台に乗せた後の戻り売りは強烈と思われますので1.43ドル台半ばで失速すると考えています。よって,今週の上値は1.4350ドル程度と予測し,下値は1.4150ドル程度と予測します。



ドルスイスは,予想が0.8830フラン-0.8720フランで,実際は0.88923フラン-0.84621フラン(終値0.84806フラン)でした。上限は約60PIPSドル安方向に外し,下限は約260PIPSドル高方向に外しました。今回の下限の大外しはいただけません。比較的安定なスイスフランに対して予想以上にドルが下がった先週はドル安主導の相場であったと考えられますが,ユーロドルの上昇に目先のレジスタンスがある限り,ドルスイスの動きも先週の下限からのさらなる下落は限定的でリトレースの流れにならざるを得ません。下限については,0.84フラン台前半まで切り下げてからのサポートを期待します。一方,上限については金曜日の高値を突破する強さはありませんので0.86フラン台半ばでの失速を予想します。よって,今週の上値は0.8650フラン程度と予測し,下値は0.8420フラン程度と予測します。

今週の予定としては,5月31日の火曜日に4月ドイツ小売売上高が発表されますが,予想以上のポジティブ・サプライズを期待します。また6月1日の水曜日には5月ISM製造業景気指数が発表されますが,こちらは5月フィラデルフィア連銀景況指数の流れ通りに悪いのではないかとの予想です。6月3日には月初めの雇用統計がありますが,これまでの推移からするとコンセンサスが高めに出てかえってネガティブ・サプライズになる可能性があります。それにしても日本の政局は内閣不信任案の提出でゴタゴタしていますが経済情勢や震災復興に対する政治家の当事者意識の欠如がとても残念ですね。円高は忘れた頃にやってくるのではないかなあ…

2011年4月YTDヘッジファンド成績

市場では5月の調整がなされている時期ですが,2011年4月までのヘッジファンドの成績の推移を確認したいと思います。



図1が代表的な10種類のファンド成績の推移です。何と言っても今月はヘルスケアセクターファンドが断然トップで,残りのファンドは団子状態でした。2位以下はロングオンリー戦略ファンド,モーゲージ組成ファンド,エマージング市場ファンド,そしてロング&ショート戦略ファンドと3月急降下状態であったテクノロジーセクターファンドが同率の5位です。オプション戦略ファンドが最下位なところを見ると今年の相場はまだ大きな波乱は起きていないと思います。5月の調整がどのように反映されるか興味津々ですが,いつも手堅いヘルスケアセクターファンドですので今月までの成績をある程度維持しながらトップを守るものと思われます。

次が,全セクターの4月までのYTDパフォーマンスの図2です。



10.59%:ヘルスケアセクターファンド
7.10%:モーゲージ組成ファンド
6.19%:スモール・マイクロ企業限定ファンド
5.89%:エネルギーセクターファンド
5.26%:テクノロジーセクターファンド

4.71%:ディストレスドファンド
3.82%:ロングオンリー戦略ファンド
3.47%:バリュー投資ファンド
3.44%:転換社債裁定ファンド
3.37%:資産賃貸ファンド
3.36%:CTA商品先物ファンド
3.01%:仕組み債非裁定ファンド
2.97%:イベント主導型ファンド
2.87%:仕組み債裁定ファンド
2.76%:マルチ戦略ファンド
2.73%:スペシャル・シチュエーションファンド
2.56%:ロング&ショート戦略ファンド
2.40%:ファイナンスセクターファンド
2.14%:企業合併裁定ファンド
1.99%:マクロファンド
1.97%:エマージング市場ファンド
1.87%:オプション戦略ファンド
1.36%:マーケットニュートラルファンド
-0.52%:統計的裁定ファンド
-1.05%:レギュレーションD限定ファンド
-7.45%:ショートバイアスファンド


1位はヘルスケアセクターファンドでやはり頭一つ抜けだしています。2位はモーゲージ組成ファンドで先月のトップの座を明け渡しました。3位以下はスモール・マイクロ企業限定ファンド,エネルギーセクターファンド,テクノロジーセクターファンドの順で,テクノロジーセクターファンドは3月に悪かったもののまだ貯金があるようです。また成績の悪い方では,ショートバイアスファンドの成績は一向に改善していませんが,いつもは成績の悪いグループに入っている為替や商品のCTA系のファンドが中位レベルにまで成績を上げてきました。今月の調整まで原油・金など相当な上昇トレンドでしたからこれも頷けるところです。ロングオンリー戦略ファンドとバリュー投資ファンドの王道組がやはり中上位にいるのは個人投資家にとっても安心できる材料です。決して市場のトリッキーな動きに振り回されることなく私たちも王道を歩きましょう。

ドル円・ユーロドル・ドルスイスの展望【2011/05/23の週】

先週はユーロは少し戻ったと思ったら金曜日に崩壊してしまい結局ドルに対して弱いままでした。ドル円は円安傾向にありましたが上値が抑えられ大きく動かない通貨ペアでした。依然として株式市場はパッとしません。(WTI)原油価格は99ドル台で始まり,いったん94ドル台まで下落したのですが週半ばにいったん100ドルを越えたのですがその後96ドル台に急落して99ドル台で週末を迎えました。金価格は1495ドル台で始まり,1504ドル台と1472ドル台の間で振動したあと金曜日に急騰して1512ドル台で週末を迎えました。



ドル円は,予想が81.90円-80.50円で,実際は82.222円-80.663円(終値81.669円)でした。上限は約30PIPSドル安方向の誤差で,下限は約20PIPSドル安方向の誤差でした。欧州系ペアが大きく動くのに対してドル円は先週も小動きでした。これだけトレンドが発生しないと値幅が取れないのでスカルピングには向いているでしょうが,ブレイクアウトを狙う場合はポジションを取らないで1週間が過ぎていきますが,しばらくドル円は休めば良いのですよ。下限については,下値はまた一段と切り上がりますので今週は81円直下でのサポートが有効でしょう。一方,上限については再び82円台の定着を狙っての82円台半ばまでの上昇は可能と判断します。よって,今週の上値は82.50円程度と予測し,下値は80.90円程度と予測します。



ユーロドルは,予想が1.4330ドル-1.4060ドルで,実際は1.43445ドル-1.40474ドル(終値1.41552ドル)でした。上限は約10PIPSドル高方向の誤差で,下限も約10PIPSドル安方向の誤差でした。先々週までの大幅下落に比べて戻しのタイミングはテクニカルな動きも読みやすいものです。システムトレードを行う場合にはそのような戻しのタイミングである程度の値幅が出てきてからといくつかの参入条件(フィルターに相当する)をつける場合もあり,人間による裁定取引とは一味違います。そして当方のシステムではユーロドルは今週も小動きなリトレースの時期との観測です。下限としては,1.40ドル台半ばのサポートを継続します。一方,上限については先週のように1.43ドル台までは戻らないで1.42ドル台半ばで失速すると考えています。よって,今週の上値は1.4250ドル程度と予測し,下値は1.4050ドル程度と予測します。



ドルスイスは,予想が0.8930フラン-0.8760フランで,実際は0.89376フラン-0.87466フラン(終値0.87898フラン)でした。上限は10PIPS以内の誤差で,下限も約10PIPSドル高方向の誤差でした。先週は3通貨ともほぼテクニカルに想定しやすい動きでした。このようなことは滅多にありません。テクニカルに強い人であればこういうタイミングをトレードに生かせないかと考えますし,そうでないならばブレイクアウトを後追いしてついていける週にトレードするでしょう。それぞれのトレードスタイルを確立することが大切ですよ。今週もユーロドルと同じく小動きの予想ですので,下限については,0.87フラン台前半まで下げた位置でのサポートを期待します。一方,上限については金曜日の高値を突破する強さはありませんので0.88フラン台前半で確定とします。よって,今週の上値は0.8830フラン程度と予測し,下値は0.8720フラン程度と予測します。

今週の予定としては,5月24日の火曜日に5月Ifo景況感指数が発表されますので,久しぶりにドイツの景気に注目しましょう。また5月25日の水曜日には4月の耐久財受注では対照的に落ち込んだ数字が予想されます。まあ,それでもギリシャ問題もIMF専務理事事件も市場は飽きている頃合いですので今週は個人的にお休みしてもよいかなと考えています。

5月のフィラデルフィア連銀景況指数はまたも予想を下回る−震災の影響は継続中

Philadelphia Area’s Manufacturing Expands at Slowest Pace in Seven Months

5月フィラデルフィア連銀景況指数: 3.9 (予想:20.0,前月:18.5)

5月のフィラデルフィア連銀景況指数は先月の18.5から3.9までさらに大幅に低下。前月の指数の低下を加味してそれなりの現状維持を予想するコンセンサスを見事に裏切ってくれました。予想以上に震災の影響は心理的にも実務上でも大きくのしかかっているようです。かろうじて指標自体がマイナスになっていないので前向きに考えるようにしましょう。先行指数についても前月の33.6から16.6へとこれまた2段落ちの低下ですので,来月も持ち直すかどうかが怪しくなってきました。(下図参照)



内訳としては,

新規受注: 5.4 (前月:18.8) -> 連鎖反応的な受注減が顕著
出荷指数: 6.5 (前月:29.1) -> 出荷も止められた状況
在庫指数: -5.4 (前月:1.7) -> 在庫はマイナスに転落
雇用指数: 22.1 (前月:12.3) -> 雇用指数の戻りは朗報

というように,雇用以外は良い兆候がないですね。そして,今回用意された特別なアンケートでは「今後の雇用計画に何が影響しますか。」という質問がなされましたが48%の人が「売上げの拡大が予想されるから」と答えたようです。つまり,供給が今後順調に戻らないと供給および需要の両面からインフレが忍び寄る可能性があります。FRBが買い取った国債のバランスシートの縮小よりも先に利上げを目指しそうに思われているのもそういうところから感じています。

しかし,この指標自体はあまり為替市場にも株式市場にも大きな影響を与えていないようです。理由は,米国経済自身に何か変化があったわけではなく外的要因に過ぎないので一時的なものだと理解されているからでしょう。また,ユーロ圏のギリシャを取り巻く状況のほうが今週も焦点が当たっているのは確実のようですし,5月の株式市場はヘッジファンドなどの換金売りのほうがネガティブに影響します。

ドル円・ユーロドル・ドルスイスの展望【2011/05/16の週】

連休明けの先週は引き続きユーロの調整が進みました。ドル円は大きく動かない通貨ペアでしたが,ドルインデックスは結構反発していますのでドル安トレンドもいったんは終わりでしょうか。また,ヘッジファンドの換金売りの季節でもあり株式市場も軟調だったのが特徴です。(WTI)原油価格は98ドル台で始まり,いったん104ドル台まで上昇したのですが週半ばに力なく反落し100ドル割れしてからはグダグダで99ドル台で週末を迎えました。金価格は1495ドル台で始まり,ピークで1526ドル台まで達したあとに1479ドル台まで下落し,最後はそれなりに戻して1494ドル台で週末を迎えました。典型的な週単位の行って来い相場となりましたが,ジョージ・ソロスがゴールドを手仕舞いしたとの報道もあり,金相場に関してはトレンド変換かどうかを注意深く見極める時期でしょう。



ドル円は,予想が81.50円-80.10円で,実際は81.327円-80.143円(終値80.797円)でした。上限は約20PIPSドル高方向の誤差で,下限はほぼピッタリの予測でした。週前半で下落の勢いは止まり,週全般で狭いレンジでの小動きとなりました。思ったより80円割れのサイコロジカルな相場印象は強く積極的に売りにいけないようですね。こういう時の下限については,下値を切り上げる予想をするのが定番なので今週は80円台半ばでのサポートが有効でしょう。一方,上限については値幅的にはさすがに100PIPS以上の変動はあると思いますので,82円直下までの上昇は可能と判断します。よって,今週の上値は81.90円程度と予測し,下値は80.50円程度と予測します。



ユーロドルは,予想が1.4530ドル-1.4280ドルで,実際は1.44409ドル-1.40661ドル(終値1.41049ドル)でした。上限は約90PIPSドル安方向に外し,下限は約210PIPSドル安方向に外しました。先々週ほどではありませんがやはり予想以上のユーロ下落となりました。ただし,1.42ドルと1.44ドルにそれなりの節があることがわかった下落でしたので,今後のリトレースではそれらの節が重要なサポートあるいはレジスタンスになることを覚えておきたいと思います。下限としては,月曜日の安値をメドとし,1.40ドル台半ばとの判断はまず間違いないでしょう。一方,上限については当面は1.44ドル台への到達は厳しく1.43ドル台前半で失速すると考えています。よって,今週の上値は1.4330ドル程度と予測し,下値は1.4060ドル程度と予測します。



ドルスイスは,予想が0.8850フラン-0.8620フランで,実際は0.89448フラン-0.87050フラン(終値0.89250フラン)でした。上限は約90PIPSドル安方向に外し,下限も約90PIPSドル安方向に外しました。ユーロドルが大幅下落したのですからドルスイスの上昇もそれなりに納得はできますが,0.90フランに達しなかったのがフランがユーロほど売られてはいないことの証左と言えるでしょう。下限については,0.87フラン台半ばのサポートはある程度の強さで期待できるでしょう。一方,上限については月曜日の高値を突破するトレンドの強さはないので0.89フラン台前半で確定とします。よって,今週の上値は0.8930フラン程度と予測し,下値は0.8760フラン程度と予測します。

今週の予定としては,5月19日の木曜日に5月フィラデルフィア連銀景況指数が発表されますが,相変わらず米住宅市場はぱっとせず景気拡大の中だるみで低めの指数が出てもおかしくないでしょう。久々にネガティブサプライズを期待します。しかし,何と言っても今は経済指標よりイベントドリブンな相場です。ユーロ方面での新たな展開には注目しましょう。特にギリシャ政府高官の発言は空気を読まないので格好の撹乱要因となり得ます。また,国際通貨基金(IMF)のストロスカーン専務理事が暴行容疑で逮捕されていますが,そんなこととは無関係にギリシャの債務問題は行くところまで行くでしょう。この国の生産性の低さと国家債務に対する考え方は市場の想像を絶しているからです。

米4月小売売上高は今回もほぼ予想通り…市場の関心はユーロにあり

Retail Sales Growth in U.S. Slows as Gas Costs Depress Consumer Confidence

4月の小売売上高は「自動車を除くコア」が事前予想通りで,全体が予想の0.6%に対して0.1%低い0.5%でした。一方,前月の指標はコアの方の売上高は0.8%から1.2%まで上方修正され,全体も0.4%から0.9%に上方修正されました。前回の上方修正値から予想通りの伸びではありますが,全体の伸びが0.5%にまで下がったのは9か月ぶりであり売上高の上昇ペースはやや鈍くなったと市場では見られています。米国株式市場は,やや景気の拡大ペースが鈍ったとの懸念からか今週は調整していますね。ただし,原油価格も一応調整されましたし,以下に述べる消費者物価指数(CPI)も一定の予想範囲にとどまっていることから,緩和的な金融政策のもとで今後もそれなりの小売売上高を期待できるでしょう。

米4月小売売上高(自動車除くコア): 0.6% (予想:0.6%,前月改定:1.2%[改定前:0.8%])
米4月小売売上高: 0.5% (予想:0.6%,前月改定:0.9%[改定前:0.4%])

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約3年ぶりで消費者物価指数とミシガン大学消費者信頼感指数も併記してみました。

U.S. April Consumer Price Index Report (Text)

米4月消費者物価総合指数:0.5% -> 0.4%(予想:0.4%)
米4月消費者物価コア指数:1.2% -> 1.3%(予想:1.3%)

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Michigan Consumer Sentiment Index Rose in May

5月ミシガン大学消費者信頼感指数:69.8 -> 72.4(予想:70.0)

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物価上昇も良くコントロールされており,FRBも急激にタカ派路線に転換する口実も見当たりませんので依然として緩和的な金融政策を継続しています。指標面でも特段のサプライズがないだけでなく,市場の関心は北欧・ドイツ経済が好調な一方で南欧・ギリシャの債務問題に向けられています。引き続きユーロの下落を中心に他の通貨との相対的な強弱を考慮してポジションを取ることになるでしょう。

ドル円・ユーロドル・ドルスイスの展望【2011/05/09の週】

先週は連休でしたが,いきなりのオサマ・ビンラディン殺害報道に始まり,ECB政策決定での意外なハト派発言とギリシャのユーロ離脱の噂でユーロドルが思いっきり巻き戻されました。ドル円も途中までは同じドル安基調で一時3月の震災の翌週の協調介入以来の80円割れとなりましたが,週末の米雇用統計が堅調だったため80円台に戻りました。(WTI)原油価格は113ドル台で始まり,終始下落基調だったものの木曜日に108ドル台から98ドル台まで急落のあと金曜日にはいったん100ドルまで戻したものの98ドル台で週末を迎えました。金価格は1563ドル台で始まり,ピークで1576ドル台を突破したあとに1463ドル台までやはりフリーフォール,最後はそれなりに戻して1495ドル台で週末を迎えました。それにしても一説では米国からの強い要請との噂もありますが,浜岡原発も全て停止になるのでしょうか。



ドル円は,予想が82.30円-80.60円で,実際は81.678円-79.555円(終値80.538円)でした。上限は約60PIPSドル高方向に外し,下限は約100PIPSドル高方向に外しました。週前半までは80円台半ばのサポートがよく利いていたのですがいったん下抜けすると80円割れが引き起こされました。やはりストップは必要ですね。下限については,金曜日の戻しが鮮やかでしたので80円台前半でのサポートは今週は有効でしょう。一方,上限については先週の高値を越えることも絶対とは言えない状況なので,81円台半ばまで上昇すればましと言えるでしょう。よって,今週の上値は81.50円程度と予測し,下値は80.10円程度と予測します。



ユーロドルは,予想が1.4950ドル-1.4730ドルで,実際は1.49386ドル-1.43148ドル(終値1.43522ドル)でした。上限は約10PIPSドル安方向に外し,下限は約420PIPSドル安方向に外しました。ユーロが崩落したので久々の大外しとなりました。予想サポートレベルだけでなく1.45ドルあたりの次のサポートも突き抜けてしまい,ユーロの強さというのは脆弱だったのだなあといまさらながら思います。引き続き,ユーロ圏にとってギリシャ問題は頭が痛い問題です。現在の1.43ドル台は4月20日の上昇の基点ではあるもののその下の1.42ドル台も含めた広いサポートレベルとなっています。下限としては,その1.42ドル台後半あたりでのサポートを期待します。一方,上限については買い上がりが全てリセットされてしまったので再び買い手がついても1.45ドル台前半からは戻り売りには抵抗できないと思います。よって,今週の上値は1.4530ドル程度と予測し,下値は1.4280ドル程度と予測します。



ドルスイスは,予想が0.8790フラン-0.8520フランで,実際は0.87951フラン-0.85513フラン(終値0.87668フラン)でした。上限は約10PIPS以内のニアピン誤差で,下限は約30PIPSドル安方向の誤差でした。ユーロドルが大外しだったのにドルスイスは安定していますから,先週のユーロドルの下落はギリシャ問題などを起因とするユーロの一人負けと考えられるでしょう。この基調はしばらく続くと思われます。純粋にテクニカルで勝負しようとしたらこのようにどちらも市場のテーマとなっていない通貨同士のペアを選ぶのが良いようです。下限については,先週の高値圏で週末を迎えたので少し切り上げて0.86フラン台前半までの下落でサポートされると予想します。一方,上限については反騰も0.88フラン半ばまで上昇すれば戻り売りが厳しいでしょう。よって,今週の上値は0.8850フラン程度と予測し,下値は0.8620フラン程度と予測します。

今週の予定としては,5月12日の木曜日に米4月小売売上高が発表されますがリテールの雇用が良かったのであまりコンセンサスを裏切るようなネガティブな指標は出ないのではないかと思います。また5月13日の金曜日には4月消費者物価指数(CPI)の発表がありますが,食品・エネルギー除くコア指数が安定していれば波乱とはならないと考えています。為替的にはGW後にはやや円高になるという都市伝説みたいなアノマリーはあることはあるのですが…おっと13日の金曜日ですけどもしかしたらまたギリシャ方面で波乱があるかもしれません。

4月失業率は一転上昇も,NFPは良い感じで拡大

U.S. Payrolls Increased 244,000 in April; Unemployment at 9%

4月非農業部門雇用者数: 244K (予想:185K,前回:216K,前回改定:221K)
4月失業率: 9.0% (予想:8.8%,前回:8.8%)

Wait for ClevelandFed updates

4月の失業率は3月の8.8%から0.2%悪化したのですが,NFPは予想の185Kを大きく上回りました。また,前月のNFPも上方修正されて雇用回復基調を継続しています。ただし,1か月前に比べるドル円もユーロドルもずいぶんドル安の方向に振れていますから,(前日のユーロの下落は助かりましたが)これでドル安に歯止めがかかるかというとまだ断定的なことは言えません。

製造業: 2万9000人 (前回:2万2000人) ※製造業が着実な回復
建設業: 5000人 (前回:2000人) ※住宅余剰で相変わらず低迷
金融業: 4000人 (前回:5000人) ※ここも現状維持で精一杯の雇用
リテール部門: 5万7100人 (前回:-3200人) ※今月のサプライズの増加数No1
民間部門: 26万8000人 (前回:23万1000人) ※プロサービス・教育・ヘルスケア・ホスピタリティが堅調
政府部門: -2万4000人 (前回:-1万0000人) ※政府部門は立ち直るどころかリストラ継続

個別のNFPの数字では4月は特別にリテール部門の大幅な増加が目立ちます。あと一時雇用者がわずかに減ってレギュラー雇用者で就業者数が増えたのも良い傾向です。その他,教育・ヘルスケア・ホスピタリティ部門で順調に雇用増になっているのは製造業だけに頼らないサステナブルな雇用回復としては悪くありません。あと2か月で完全にQE2の終了の懸念を払拭できるさらなる雇用回復ができるといいですね。

ECBは政策金利を1.25%で据え置き…トリシェ総裁は6月以降に含みを持たす

Trichet Signals Rate Move After June, Says ECB to Monitor Risks

5月5日にECBは先回の利上げの後のレート1.25%で据え置きました。FRBは引き続きゼロ金利政策を継続中ですし,ECBも資源インフレ以外の口実で連続利上げをする強気には出られずに予想通りの展開となりました。インフレリスクに「強い警戒(strong vigilance)」ではなく「極めて厳密に監視する(be watched very closely)」という表現を使ってハト派的な演出をしながらサプライズを与え,一方で6月以降の利上げの期待は含みを残したまま次回の金融政策にもフリーハンドを与えたのは見事だったと思います。



据え置き自体の予想は市場のコンセンサスを得ていましたが,今回のトリシェ総裁は特別な言質を取られることもなく無事に会見を終えました。なお,今回の政策金利決定の記者会見はトリシェ総裁がフィンランド中央銀行創立200周年記念会議に出席のためフランクフルトではなくヘルシンキで行われました。

一部にはたとえ金利据え置きだとしてももっとタカ派的な発言を期待していた市場参加者もいたかもしれませんが,期待が外れたためユーロドルは大きく売り込まれました。本日のロンドン市場の序盤の動きは一時ドル円が79円台をつけるというドル安・円高の流れでしたが,ユーロ安・ドル高のユーロドルの流れでドル円も80円台を回復したようです。

ここまでの流れとしては,ユーロドルの上限は週初の予想通りとなりましたがドル円の下限は結局破られており,なかなか全ての通貨ペアで上限・下限を正確に予想するのは難しいものです。米雇用統計が連休後半に重なるのは当然としてECBの政策金利発表も今年は5日でしたから,「GWは何かが起きる」というのは今年の場合も例外ではありませんでした。

4月ISM製造業景気指数は前月より低下も予想以上で連休序盤は波乱なし

Manufacturing Leading U.S. Economy on Exports, Inventories

4月ISM製造業景気指数: 60.4 (予測:59.5,前月:61.2)



4月のISM製造業景気指数は3月からさらに下がったのですが,事前予想の59.5は0.9ポイント上回る60.4でした。せっかく予想は上回ったものの今回は週後半の木曜日のECB政策金利発表と金曜日の米雇用統計のために,市場は様子見の状態でした。

内訳では生産指数(Production)および入荷遅延指数(Supplier Deliveries)が減っており,受注残指数(Backlog of Orders)が大幅増です。震災の影響で明らかな供給制約の状態にあると見受けられます。徐々にサプライチェーンも回復するとは思いますが,供給が需要に追いつかない傾向が長く続くと資源インフレでなく本物のインフレになる可能性があるので今後とも注意が必要です。

※今回のエントリは休暇明けで,指標にリアルタイムには追随していませんのでご了承ください。

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管理人のニックネームEURO SELLERの由来は,2005年6月の欧州憲法の否決の際にユーロを売りまくったことからきています。もう一つのシステムトレードのブログはこちらです。

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