EURO SELLERの為替・投資戦略ブログ

2005年6月の欧州憲法否決の際にユーロを売りまくった管理人の【新】為替・投資日記ブログです。くれぐれも投資行動は自己責任でお願いします。

ドル円・ユーロドル・ドルスイスの展望【2011/03/28の週】

先週は福島第一原発の冷却処理が日に日にマズイ方向に進んでいるようで,ヨウ素131の半減期の8日と比較して東電(9501)の株の半減期は10.5日という笑えないスレが某掲示板に作られました。震災報道もNHK以外は特別編成から通常編成に戻りつつある中で,東電の記者会見をネットで見ているとほとんど全ての意思決定が遅れている感が否めません。放水作業に加えて汚染水の除去という厄介な仕事が控えています。一方,リビア情勢は反体制派が持ち直していますので今週早々反体制派をリビア政府と認定したカタール政府のようなスタンスの国が増えると思っています。為替は比較的小動きでドル円は値幅が少なく・ユーロドルも1.42ドル台半ばからは反落でした。(WTI)原油価格は101ドル台で始まり,石油需要のほうが再び重視されたのか101ドルを割ることはなく,一時106ドル台まで上昇してから105ドル台で週末を迎えました。金価格は1418ドル台で始まり,一時1447ドルの最高値をつけた後に反落して1430ドル台で週末を迎えました。先週は原油も金も震災前の上昇トレンドに戻ってきたようです。



ドル円は,予想が82.30円-80.30円で,実際は81.481円-80.692円(終値81.464円)でした。上限は約80PIPSドル高方向に外し,下限は約40PIPSドル安方向の誤差でした。日本の復興需要規模の早期判断が難しいことと日本の海外輸出額に影響を与えかねない電子部品関連のプラントの回復見通しの不透明感から,さらなる円高にも円安にも動きにくいというのが本音でしょう。もちろん,無難に協調介入を終えた翌週ですから一段の円高には振れないのは確実でしたが…徐々に世界の関心が日本からリビアへまたユーロ圏の財政規律問題にシフトしつつある(つまり通常に戻りつつある)ので,今度は円安方向にどの程度振れていくのかが注目されます。下限については,月曜日のシドニー市場の安値がほぼ底だと見ているので81円台半ばでのサポートを考えています。一方,上限については3月11日の高値である83.285円は一応の戻り目安ですので83円台前半までの上昇を考えています。よって,今週の上値は83.30円程度と予測し,下値は81.50円程度と予測します。



ユーロドルは,予想が1.4280ドル-1.4120ドルで,実際は1.42474ドル-1.40527ドル(終値1.40742ドル)でした。上限は約30PIPSドル安方向の誤差で,下限は約70PIPSドル安方向に外しました。ひっそりとユーロ諸国での債務問題のニュースが流れたりするので,さすがに1.42ドル台半ばからは上値が重くて週末にかけて典型的な反落のパターンとなりました。いったん直近高値や直近安値が決まってからのリトレース(下落する戻りや上昇する返し)は読みやすいはずです。相場に慣れてきたらこういう相場で出動するのが良いと思います。上限については,再び1.42ドルを今週越えるのは難しいと思うので1.41ドル台後半までを当面のレジスタンスレベルとします。一方,下限については1.40ドル台をキープできるかどうかに注目ですが,相場の達成感のためにいったんは割れて1.39ドル台半ばまで下落してからサポートされると考えます。よって,今週の上値は1.4180ドル程度と予測し,下値は1.3950ドル程度と予測します。



ドルスイスは,予想が0.9150フラン-0.9020フランで,実際は0.92131フラン-0.89775フラン(終値0.92046フラン)でした。上限は約60PIPSドル安方向に外し,下限は約40PIPSドル高方向の誤差でした。予想に反して0.90フランは割れましたが,ユーロドルの反落と時を同じくしてドルスイスも底から切り返したと言ってよいでしょう。0.92フランを越えたのは下値でドルを買ったドルロンガーに対しては良い兆候です。上限については,震災前のレベルの0.93フラン台半ばまではまだ無理だと思いますが,0.93フラン台前半までは戻す可能性があると考えています。一方,下限については先週の終値が0.92フランを割れなかったのは大きく,たとえ下落しても0.91フラン台前半では何とかサポートされると考えます。よって,今週の上値は0.9320フラン程度と予測し,下値は0.9120フラン程度と予測します。

今週の予定としては,3月28日の月曜日には既に2月米個人消費の発表がありましたが予想を上回りなかなか良い感じです。3月30日の水曜日のADP雇用統計を先行として4月1日の金曜日には3月米雇用統計の発表および3月ISM製造業景気指数の発表があります。通常相場に戻ったならば,わかりやすいリトレース局面では積極的にポジションを取る方向で行きたいと思います。なお,今年も期末・期初で為替市場に特定のアノマリーはありませんでした。

ドル円・ユーロドル・ドルスイスの展望【2011/03/21の週】

先週は福島第一原発の冷却処理と爆発および放射線漏れの恐怖のシナリオで株式市場も為替市場も乱高下した大変な週でしたね。私も計画停電のために本業も出社ままならず自宅軟禁状態でありました。連日,震災報道を見せられるのも大変でしたが,せっかく「休んだほうがいいですよ」と言ったのにそんな週にトレードをして大損した人たちや証券業から撤退してしまった会社などもあり,挙句はG7による円高協調介入と100年に1度のようなことが2008年に続いて起きてしまったのですね。ブラックスワンは思ったよりもたくさん発見できるようです。(笑)(WTI)原油価格は100ドル台で始まり,経済停滞による需要不足になるという観測から一時96ドル台まで下落してから,週後半に103ドル台までいったん上昇してから101ドル台で週末を迎えました。金価格は1417ドル台で始まり,一時1383ドルの最安値をつけた後に回復して1419ドル台で週末を迎えました。先週は原油も金も週単位の「行って来い」相場でした。



ドル円は,先週は82.440円-76.732円(終値80.739円)でした。原発が水素爆発を起こしてセンチメントが最低な時点でJSTの17日早朝(=シドニー市場:GMTの16日の終わり近く)にドル円は円が対ドル史上最高値を記録しました。慌ててG7も一両日中に電話会談をする予定を発表。18日の東京市場で協調介入を実際に行なってこれ以上の円高は許さないという当局の姿勢が示されました。76円台をつけたのは瞬間最大風速であり,損切りによるドル売りでのアンダーシュートも含んでいます。概ね80円以下にはしないという当局の意図が良く伝わり18日には82円直下まで一時上昇しました。下限については,80円台前半のサポートは介入直後でしょうから確実だと考えます。一方,上限については先週82円台をつけられなかった事実は大きいですが,82円のオプション・トリガーの防戦売りも今週には適用されないと考えているので65日移動平均の82円台前半までは上昇の見込みがあると考えています。よって,今週の上値は82.30円程度と予測し,下値は80.30円程度と予測します。



ユーロドルは,先週は1.41829ドル-1.38545ドル(終値1.41683ドル)でした。円売り介入が協調介入だったため,各国通貨も円売りと同時に買われたのでユーロもドルも強くなったわけですが,ドル円における円高傾向は介入直後から根強く残りましたので結果的にユーロドルの上限は1.41ドル台に突入しました。3月は日本の期末ということもあり円のレパトリもある程度考慮に入れる必要がありますが,ドルは決済通貨なので他通貨に比べてレパトリの対象になりやすいというのはあるかもしれません。ということなのでさらに月末に向けてのドルの対円に対すると弱含みが続けばユーロの独歩高もあるでしょう。そのため上限については,昨年10月31日の高値である1.42ドル台後半までを当面のレジスタンスレベルとします。一方,下限については1.4150ドルをいったんクリアした関係で1.41ドル前半でのサポートを意識します。よって,今週の上値は1.4280ドル程度と予測し,下値は1.4120ドル程度と予測します。



ドルスイスは,先週は0.93151フラン-0.89046フラン(終値0.90296フラン)でした。ドル円で円が史上最高値をつけたわけですから,ドルスイスが0.89フラン台まで下落したのは当然でしょう。もうパリティどころか0.95フランさえ遠くなりました。以前ほどユーロとフランのトレンドの乖離は少なくなっており,ユーロ自体も対ドルで強くなっているためドルスイスの上値も抑えられる展開になるでしょう。下限については,協調介入した日の下限が0.89フラン台後半なのでほぼ0.90フラン台前半がサポートになると考えています。一方,上限については根強いフラン高観測がありますので,0.91フラン台半ばで失速することを想定しています。よって,今週の上値は0.9150フラン程度と予測し,下値は0.9020フラン程度と予測します。

今週の予定としては,3月24日の木曜日に2月米耐久財受注の発表がありますがこれまでの経済指標を考えるとそれなりに事前予想をクリアすると考えています。また,3月25日の金曜日に2010年第4四半期のGDP確定値は大きくブレると考えていませんのであまりトレード材料にはならないでしょう。同日発表の2010年第4四半期の米個人消費も同様です。世界の注目は先週に続いて震災後の日本経済の復興および空爆継続中のリビア情勢ですが,福島第一原発冷却処理は長期戦になりそうな感じですのでリビア情勢の混乱のほうが短期的な相場の撹乱要因となると考えます。

3月のフィラデルフィア連銀景況指数は事前予想を大幅に上回る−来月の反動が気になる

Philadelphia-Area Manufacturing Surges as Index Climbs to 43.4 From 35.9

3月フィラデルフィア連銀景況指数: 43.4 (予想:28.8,前月:35.9)

3月のフィラデルフィア連銀景況指数は低めの事前予想を大幅に上回って上昇。前月の指数からのダウンを予想するコンセンサスに対して完全なポジティブ・サプライズです。先行指数については前月の46.8から63.0へとこれまた信じられない高水準です。(下図参照)1984年1月以来というとんでもない昔以来の高水準なので,かえって来月の反動さえ気になります。



内訳としては,

新規受注: 40.3 (前月:23.7) -> 大幅上昇で40ポイント台に
出荷指数: 34.9 (前月:35.2) -> 出荷は高水準で安定
在庫指数: 12.0 (前月:2.1) -> 在庫は5年来最高の水準
雇用指数: 18.2 (前月:23.6) -> 雇用指数はやや低下

というように,新規受注が驚異的な上昇です。また出荷指数も高水準を維持していますので物流も含めて各セクターに順調な景気循環があるはずです。しかし,為替市場も株式市場も今注目しているのは日本の福島原発の冷却処理と放射能汚染の行方だったりします。今週ドル円は史上最高の円高レートを付けましたが,現在の円高は日本の実需輸入と米国の輸出拡大にとっては悪くはない話です。値ごろ感やレンジ下限でドル円を買った人はさらに底抜けに円高になる場合にはしっかりと損切りを行うことです。

FOMC statement, March 15, 2011

FOMC statement

2011年1月26日以来,約48日ぶりのリリースでした。引き続き政策金利は据え置きでありまた追加緩和の予定も従来通りです。先月に続き全会一致であり,目立った点はインフレに対する警戒感が増したことです。

1.景気回復については,先回の"is continuing"から今回の"is on a firmer footing"と多少力強さを感じる表現に変更。(※1下線)
2.雇用回復のペースについては,先回の"insufficient to bring about a significant improvement in labor market conditions."から今回の"overall conditions in the labor market appear to be improving gradually."と十分改善がない状態から徐々に改善とよりプラス方向の表現に変更。(※2下線)
3.家計消費は,先回の"picked up late last year"から今回の"continue to expand"に力強く改善。(※3下線)
4.ビジネス消費も同様に,先回の"is rising"から今回の"continue to expand"に力強く改善。(※3下線)
5.商品価格については,先回の"Although commodity prices have risen"から今回の"Commodity prices have risen significantly since the summer"に変化し後段で原油相場に懸念。(※4下線)
6.第1パラグラフでのインフレ状況については,先回の"have been trending downward"から今回の"have been subdued"に変化し若干デフレイメージは後退。(※5下線)
7.第2パラグラフでのインフレ状況については,先回の"are somewhat low"から今回の"continue to be somewhat low"に変化したがニュアンスの変化とまでは言えない。(※6下線)
8.エネルギーおよび商品価格の最近の上昇について再び言及されて,「FOMCはインフレの進展及びその期待の変化について特に注視する」との一文が追加。(※7下線)
9.第3パラグラフは先回と全く同じ表現。
10.第4パラグラフも先回と全く同じ表現。言うまでもなくレートは今回も0.25%で据え置きで,FOMC文内の優先順位は低い。今回も"warrant exceptionally"と"for an extended period"はどちらも残った。(※8下線)
11.第5パラグラフも先回と全く同じ表現。
12.退任1名:Kevin M. Warsh

For immediate release
Information received since the Federal Open Market Committee met in January suggests that the economic recovery ※1is on a firmer footing, and ※2overall conditions in the labor market appear to be improving gradually. Household spending and business investment in equipment and software ※3continue to expand. However, investment in nonresidential structures is still weak, and the housing sector continues to be depressed. ※4Commodity prices have risen significantly since the summer, and concerns about global supplies of crude oil have contributed to a sharp run-up in oil prices in recent weeks. Nonetheless, longer-term inflation expectations have remained stable, and measures of underlying inflation ※5have been subdued.

Consistent with its statutory mandate, the Committee seeks to foster maximum employment and price stability. Currently, the unemployment rate remains elevated, and measures of underlying inflation ※6continue to be somewhat low, relative to levels that the Committee judges to be consistent, over the longer run, with its dual mandate. ※7The recent increases in the prices of energy and other commodities are currently putting upward pressure on inflation. The Committee expects these effects to be transitory, but it will pay close attention to the evolution of inflation and inflation expectations. The Committee continues to anticipate a gradual return to higher levels of resource utilization in a context of price stability.

To promote a stronger pace of economic recovery and to help ensure that inflation, over time, is at levels consistent with its mandate, the Committee decided today to continue expanding its holdings of securities as announced in November. In particular, the Committee is maintaining its existing policy of reinvesting principal payments from its securities holdings and intends to purchase $600 billion of longer-term Treasury securities by the end of the second quarter of 2011. The Committee will regularly review the pace of its securities purchases and the overall size of the asset-purchase program in light of incoming information and will adjust the program as needed to best foster maximum employment and price stability.

The Committee will maintain the target range for the federal funds rate at 0 to 1/4 percent and continues to anticipate that economic conditions, including low rates of resource utilization, subdued inflation trends, and stable inflation expectations, are likely to ※8warrant exceptionally low levels for the federal funds rate ※8for an extended period.

The Committee will continue to monitor the economic outlook and financial developments and will employ its policy tools as necessary to support the economic recovery and to help ensure that inflation, over time, is at levels consistent with its mandate.

Voting for the FOMC monetary policy action were: Ben S. Bernanke, Chairman; William C. Dudley, Vice Chairman; Elizabeth A. Duke; Charles L. Evans; Richard W. Fisher; Narayana Kocherlakota; Charles I. Plosser; Sarah Bloom Raskin; Daniel K. Tarullo; and Janet L. Yellen.

ドル円・ユーロドル・ドルスイスの展望【2011/03/14の週】(休むのも相場)

まず最初に先週の金曜日に起きた東北大震災で亡くなられた方に心から哀悼の意を表わすとともに被災地の皆さんの一刻も早い救出を願いたいと思います。人の命の前には相場の予測も経済指標の分析も全く無力です。2002年の9.11テロの後にNYSEが4日間も休みだったのは単に市場の混乱を避けるためだったのかもしれませんが,私個人としては市場の流動性を保つより,相場の喧騒を離れて人の命の尊さを考える機会と再び立ち上がって冷静さを取り戻す機会を人々に与えたNYSEの英断として評価したいと思います。個人的には14日は暴落を引き起こすくらいならTSEも休みにすればいいのにと感じています。

今週は私はトレードもしませんし,為替の予測もあまりしたくありません。淡々と先週を振り返りますので,どうか自分の信ずるところで行動してください。(WTI)原油価格は105ドル台で始まり,一時107ドル台直下まで上昇しましたが木曜日から下落し金曜日の大地震以降はいったんは100ドルも割りながら100ドル台で週末を迎えました。金価格は1431ドル台で始まり,一時1444ドルの最高値をつけた後に続落して1417ドル台で週末を迎えました。



ドル円は,予想が82.80円-81.80円で,実際は83.285円-81.644円(終値81.878円)でした。上限は約50PIPSドル高方向の誤差で,下限は約20PIPSドル高方向の誤差でした。大地震のあった金曜日の高値と安値が週の高値と安値になっています。週前半が小動きで一気にボラが拡大したもののそれなりのレンジ相場に収まったというところでしょうか。震災後の経済的打撃から日本のGDPはある程度の下方修正を余儀なくされると予想されますので,デフレ継続が懸念されてレンジの範囲で円高に相場が動いたと考えられます。



ユーロドルは,予想が1.4050ドル-1.3850ドルで,実際は1.40352ドル-1.37513ドル(終値1.39014ドル)でした。上限は約15PIPSドル安方向の誤差で,下限は約100PIPSドル安方向に外しました。基本的には週の初めのユーロ高が修正されて推移しましたが,大地震のあった金曜日にドル円が円高になったのと連動してユーロが盛り返していきました。ユーロドルが盛り返したもう1つの理由はトリシェ総裁がいつかは利上げせざるを得ないと発言したことからかもしれません。こちらも思ったより下限が低かったことを除けば上限がはっきりしているレンジの範囲と言えそうです。



ドルスイスは,予想が0.9290フラン-0.9150フランで,実際は0.93678フラン-0.92350フラン(終値0.92913フラン)でした。上限は約80PIPSドル安方向に外し,下限は約85PIPSドル安方向に外しました。値幅はほぼ同じでしたが全体としてフラン高を予想し過ぎました。金価格が下落したことと連動して3週連続のドルスイスの最安値更新は免れる結果となりました。つまり下値を探る展開から以前につけたレートでのレンジ相場にいったん収まったと言えるでしょう。

今週の予定としては,3月14日の月曜日に日銀政策金利の発表がありますが14日朝に大量の資金供給する用意があると白川日銀総裁が事前発言しています。3月16日の水曜日にはFRBの政策金利発表があります。リビアの内戦も継続してはいるものの,世界の注目は震災後の人命救助と日本の復興プランに向けられるでしょう。計画停電の予定も発表されていますので,節電に努めながらじっくりとその他のマクロを見極める週にしたいと思います。

米2月小売売上高は予想どおりだが,人々は日本の大地震報道に釘付けのはず…

Retail Sales in U.S. Rise Most in Four Months, Spurred by Employment Gains

2月の小売売上高はコアも全体も事前予想どおりでしたが,8カ月連続での増加および4か月間の最高の伸びを達成しています。持続可能な米景気回復については楽観できますが,市場の関心は経済指標ではなく日本の大地震の報道とその後の救出作戦や福島原発の冷却の行方などに釘付けのはずです。そんな中で果たして皆さんは冷静でいられるでしょうか。自分が冷静でいられないときには決して取引をすべきではありません。

米2月小売売上高(自動車除くコア): 0.7% (予想:0.7%,前月改定:0.6%[改定前:0.3%])
米2月小売売上高: 1.0% (予想:1.0%,前月:0.7%)

Please wait for Cleveland Fed data update

私個人も金曜日の大地震の影響で帰宅難民になり,トレードどころかエントリの更新もできませんでした。今はただ被災地の皆さんの可能な限りの救出を願うばかりです。人の命の前には経済指標も相場も何も勝るものはありませんよ。

ドル円・ユーロドル・ドルスイスの展望【2011/03/07の週】

先週は木曜日にトリシェECB総裁が次回の利上げを示唆したためユーロドルは一時1.40ドルにタッチしました。翌日の米雇用統計は悪くはなかったのですが目下のドル安・ユーロ高のトレンドを覆すことはできませんでした。また,リビアが内戦状態になって原油価格が一段上昇したため米国でもガソリンが3ドル台後半になりました。FRBの緩和政策を原油市場への投機マネーの流入の原因としたり「雇用統計が緩やかに改善しているのだからもっと物価の安定にフォーカスしろ」という世論が多くなりそうです。(WTI)原油価格は98ドル台で始まり,一時96ドル台まで下落しましたがその後は順調に上昇し105ドル台で週末を迎えました。金価格は1410ドル台で始まり,一時1440ドルの最高値をつけた後に1431ドル台で週末を迎えました。



ドル円は,予想が82.90円-81.50円で,実際は83.043円-81.561円(終値82.301円)でした。上限は約10PIPSドル安方向の誤差で,下限は約10PIPSドル安方向の誤差でした。相変わらずレンジ相場での値幅がありません。週足で150PIPSなんですから…。外相辞任や国家予算成立の問題という日本の政治の混乱と資源価格の上昇によるドルの相対的価値低下の間の綱引きが微妙な均衡を保っているのに違いありません。こういう相場では当然ノーポジが推奨されます。もしレンジ相場の逆張りを得意とするシステムがある場合はこのような相場状況を的確にフィルターできる場合のみ採用してください。下限については,今週は81円台後半まで下がれば十分なサポートを期待できます。一方,上限については82円台後半にまで上昇できればましな方でしょう。よって,今週の上値は82.80円程度と予測し,下値は81.80円程度と予測します。



ユーロドルは,予想が1.3850ドル-1.3620ドルで,実際は1.40066ドル-1.37107ドル(終値1.39838ドル)でした。上限は約160PIPSドル高方向に外し,下限は約90PIPSドル高方向に外しました。トリシェ総裁の記者会見効果は相当なものがありました。先週のエントリでも少し期待はしていたのですがまさか現実のものとなるとは思いませんでした(笑) いままでの居心地の良い1.35ドル-1.38ドルをブレイクアウトしたので1.3850ドル-1.4150ドルの新たなレンジ内での変動が期待できます。しかし,記者会見のQ&Aという一時要因によるブレイクアウトであることとトリシェ総裁も火消しに躍起ですのでこれが継続したトレンドになるかどうかはわかりません。もう一度ファンダメンタルズに立ち返って考えると,米雇用統計が堅調であったこともあり元のレンジに戻る可能性も考えられます。そのため下限については,1.38ドル台半ばのレンジ下限を当面のサポートレベルとします。一方,上限についてはそれなりのサイコロジカルな区切りであることを考慮し,1.40ドルを上抜けしても1.40ドル台半ばあたりで失速することを想定しています。よって,今週の上値は1.4050ドル程度と予測し,下値は1.3850ドル程度と予測します。



ドルスイスは,予想が0.9450フラン-0.9240フランで,実際は0.93282フラン-0.92007フラン(終値0.92577フラン)でした。上限は約120PIPSドル高方向に外し,下限は約40PIPSドル高方向の誤差でした。ドルはこのところ2週連続でフランに対して最安値を更新しています。こういう場合の下限サポートレベルはとても予測しにくい状況です。何とか0.92フラン台を守った先週の動きを尊重しつつも今週の始値が安値圏であることも考慮して多少のアンダーシュートは想定すべきでしょう。下限については,今週は0.91フラン台半ばでのサポートを考えています。一方,上限については今週は強い戻り相場は全く期待できませんので,0.93フラン直下で失速することを想定しています。よって,今週の上値は0.9290フラン程度と予測し,下値は0.9150フラン程度と予測します。

今週の予定としては,3月10日の木曜日にBOE政策金利の発表がありますがスタグフレーションの感がある英国経済にすぐに利上げができずにポンドの動きもややこしいですね。3月11日の金曜日には米3月小売売上高が発表されます。物価が上昇に転じている時の売上高は実際より過大評価になることもありますがそれなりの回復を期待しましょう。今週はリビアの内戦の進展と原油価格の上昇程度,およびユーロドルが再び1.40ドル台に突入してからの動きに注目していきましょう。

2月失業率はわずかな低下だが,NFPはほぼ予想通りの回復

U.S. Jobless Rate Falls to Two-Year Low as Confidence Grows in Recovery

2月非農業部門雇用者数: 192K (予想:196K,前回:36K,前回改定:63K)
2月失業率: 8.9% (予想:9.1%,前回:9.0%)

Wait for ClevelandFed updates

2月の失業率は1月の9.0%からわずか0.1%しか改善していないのですが,ヘッドライン的には9%を割ったことがセンチメンタル的には大きいでしょう。一方,NFPは大雪の影響がなくなりほぼ予想の範囲で回復しています。さらに今回も前回統計が上方修正されたので一言で言えば「悪くない=良いとは言っていない」指標と言ってよいでしょう。微妙な指標でユーロドルは1.40ドルにタッチしたのにそこからの上昇はかなわず,1.39ドル台後半で週末を迎えました。

製造業: 3万3000人 (前回:5万3000人) ※製造業がようやく安定してきた
建設業: 3万3000人 (前回:-2万2000人) ※大雪の影響がなくなりプラスに転換も変動が激しい
金融業: 3000人 (前回:-1万2000人) ※マイナスとプラスの間での小さな増減のみ
リテール部門: -8100人 (前回:3万600人) ※先月の一時雇用者の労働力は減少した
民間部門: 22万2000人 (前回:6万8000人) ※主な増加は輸送・ヘルスケア中心のサービス業
政府部門: -3万0000人 (前回:-5000人) ※政府部門はまったく立ち直っていない

個別のNFPの数字では建設・輸送・ヘルスケアの就業者の増加が目立ちます。ただし,先月に予想したほど順調な回復とも言いがたく,また月々の変動が激しい状況が続いています。

まだ短期的な変動はあるとしても,米国の雇用状況が今後にもたらす長期的な変化のうち以下のことは確実だと思われます。

■ 債務に追われる州政府・地方都市は一層のスリム化が進み,「小さな地方政府化」が進む
■ 労働市場を牽引するのは民間雇用だが,製造業は海外生産も多くサービス業の労働力が単純労働の主流になる
■ プロフェッショナル・ビジネスサービスの安定した雇用からわかるのは,米国労働市場で今求められているのは高度な知識や技術,一定年数の経験などを持っている人材であること
■ 徐々に雇用統計が回復するにつれて,FRBの金融政策はDual Mandate達成面から見ても雇用の確保から物価の安定に軸足を移す可能性が出てきた

雇用統計は遅行指標でありながら,人々の消費性向,経済活動,生活パターンに長期的な変化を与えます。毎月の細かい変動よりはむしろこういう大きな流れのほうが株式市場で有望なセクターを選択するのには役立ちます。為替市場では機械的かつ直近トレンドに従った対応が望まれますが,株式市場はやはり経済の長期的なファンダメンタルを分析した上での投資が大切です。

ECBは政策金利を1.0%で据え置いたものの…トリシェ総裁は次回利上げの可能性も示唆

Trichet Says ECB May Raise Interest Rates Next Month to Contain Inflation

3月3日にECBは政策金利を22回連続で据え置きました。今回の会見ではユーロ圏のインフレ率についての懸念を強く表明し次回の利上げについても可能性を示唆しました。一方で,これまでのECBの国債買い入れプログラム(MROs)の継続に加えて(LTROs)を発表して緩和政策も推進しています。トリシェ総裁としては硬軟を使い分ける記者会見のつもりでしたが,市場には極めてタカ派的な記者会見と取られてユーロドルは1.40ドル直下まで急激に上昇しました。



1月の記者会見のように強く利上げを示唆するタカ派的な発言のおかげで,市場には利上げ観測が強く台頭しました。ユーロドルが上昇する(ドル安)のはわかるのですがドル円も上昇する(ドル高)の理由は全く不明です。ベネズエラのチャベス大統領のリビア騒乱の調停案に市場が安心して,中東からもっとも遠い国の通貨への「質への逃避」が巻き戻されたのでしょうか。いずれにしろ今回のECBの記者会見のインパクトが強すぎですので,金曜日の雇用統計の発表が現在のドル安のトレンドを逆方向に変えるとは思えず,為替市場は少しでもネガティブな情報を見つけだして今のトレンドを加速する方向にベットするでしょう。この点,株式市場が雇用統計に一喜一憂するのと為替市場が現在のトレンドに追従していこうとするのとは明らかに違う動きだと思います。

2月ISM製造業景気指数は予想以上だが市場の注目はやはり中東情勢に

U.S. Manufacturing Grows at Fastest Pace Since 2004

2月ISM製造業景気指数: 61.4 (予測:61.0,前月:60.8)



2月のISM製造業景気指数は1月からさらに上昇して,事前予想の61.0を0.4ポイント上回る61.4でした。2004年5月以来の好調な数字が並んでいますが,好調な製造業を反映してまあ想定の範囲内というところでしょう。今月もリビア情勢が市場の焦点になってしまい為替相場は経済指標をガン無視です。一方,株式市場もISM製造業景気指数にはあまり反応せずに中東情勢や原油価格を注視した動きとなっています。それにしても,前月がエジプトに注目で今月がリビアに注目とは毎月中東で騒動が起きているのですね。

今週も,純粋な経済指標とトレードとは分離して考えるべきです。金曜日の雇用統計には多分注目が集まるとしても,中東により近いECBの金融政策のほうがイベントリスクとして注目が集まりそうです。トリシェ総裁がユーロ圏の景気は好調でインフレ率は無視できないレベルにあるとでも言ったなら,ユーロドルと金価格のさらなる上昇はほぼ確実と思われます。

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管理人のニックネームEURO SELLERの由来は,2005年6月の欧州憲法の否決の際にユーロを売りまくったことからきています。もう一つのシステムトレードのブログはこちらです。

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