EURO SELLERの為替・投資戦略ブログ

2005年6月の欧州憲法否決の際にユーロを売りまくった管理人の【新】為替・投資日記ブログです。くれぐれも投資行動は自己責任でお願いします。

ドル円・ユーロドル・ドルスイスの展望【09/06/01の週】

早いもので今年も第1四半期が過ぎたと思ったら,第2四半期も2/3終わっている。あと一か月も経つと一年の半分が終わるのですね。私もDoblog騒動のおかげで,あっという間に時間が経った気がします。

さて,先週はGMの破綻処理が既定事実化する中で,週前半はユーロの勢いが少しそがれてドルが回復したと思ったのですが,週後半はやっぱりユーロが強かったようです。



ドル円は,予想が97.20円-93.00円で,実際は97.220円-94.410円(終値95.261円)でした。上限はぴったりでしたが,月曜の安値で下限に達したあとは,4日間の陽線と金曜日の反転下落で終値を迎えました。ユーロドルやドルスイスに比べて,5月22日の安値93.84円と5月7日の高値99.60円の比較的狭い範囲で振動していると言っても良いでしょう。特に安値のほうは直近で下値ねらいでサポートされたレートですから,再び下値抜けするかに注目です。一方,上値は28日に高値をつけたあとに29日に95円台前半まで反落したので,振動の上限にまでは達するのにはもっと材料が必要です。加えて98円直下および99円直下にはわかりやすい節が存在します。特に5月12日の高値である97.82円を越えるのは至難でしょう。よって,今週の上値は97.70円程度と予測し,下値は93.20円程度と予測します。



ユーロドルは,予想が1.4270ドル-1.3760ドルで,実際は1.41670ドル-1.37920ドル(終値1.41382ドル)でしたので,下限はほぼ予想通りでしたが,ユーロ高の程度は限界がありました。しかし,今週は予定されていたこととはいえ,1日のGMの破綻発表に関係して米国政府の注入する救済資金額がドル安の材料にされることは覚悟しておかないといけません。上限は月曜日にギャップをあけてユーロが一段高になるようなら1.4360ドルが目標値ですが,GM破綻自体は織り込み済みですので週末のイベントがギャップあけの材料になるとまでは考えていません。そこで,先週とほぼ変わらない1.430ドル直下を戻り売りの限界としておきましょう。一方,下限は先週サポートがはっきりしましたので,今週は1.37ドル台には突入せず1.38ドル台前半を下落のメドとします。よって,今週の上値は1.4280ドル程度と予測し,下値は1.3820ドル程度と予測します。



ドルスイスは,予想が1.1180フラン-1.0690フランで,実際は1.09520フラン-1.06546フラン(終値1.06788フラン)でしたので,上限にははるかに達せず,下限はそこそこのサポートレベルを予測できたと思います。週末の金価格も975ドルを越えてきていつ1000ドルに達するのだろうかという市場の思惑があります。これはドル安の流れの裏返しですから,当面のドルスイスの下値試しは続くでしょう。下限は,昨年12月31日の安値1.0540フランを基点と考えて,下限は1.05フラン直下程度と見ておきたいと思います。一方,上限は現在下落途上のため1.08フラン台,1.09フラン台のどちらも戻り売りに跳ね返されます。よって,今週の上値は1.0880フラン程度と予測し,下値は1.0490フラン程度と予測します。

原油価格と金価格が上がる相場は,基軸通貨としてのドルへの信任が揺らいでいる目に見える市場のサインの一つです。これはまた消極的にユーロやフランが買われる結果ともなり,持続的なドル安のトレンドにつながります。
もし,ユーロドルが1.43ドル台にいち早く達するようなら,1.35ドル以下でショートした人たちはぐずぐずせずに撤退を考えないといけません。ドルスイスも1.03フランを下抜けするようになったら,1.10フラン以上のロングはどこで損切るかを考慮すべきです。急騰でなく消極的理由でなんとなく上昇あるいは下落していく場合は,反対のポジションを持っている連中は(徐々に熱くなるの鍋から飛び出さないため徐々に茹で上がる)茹で蛙になりやすいのです。

WSJのオンライン・マーケットデータ

WSJ(ウォール・ストリート・ジャーナル)は,2006年ごろから紙面のタブロイド版化を推進しており,徐々に紙媒体からオンラインサイトへの転換および無料化を図っていますが,そのオンライン・マーケットデータが最近どんどん充実してきていると思います。図がそのマーケットデータのポータルエントリです。




タブにマウスカーソルを合わせると一階層で各種データのページに行き着けるので,同業他社やMSN/Yahoo等の以前からあるデータサイトより使いやすい感じがします。また,株や為替や債券だけでなく,商品市場,デリバティブ商品,金利動向,国際市場の一覧など表示できるものが広範囲です。WSJ自身の記事へのアクセスも上のほうのボタンから可能です。

さらに,ポータルの構造が割合とわかりやすいので,私のようにプログラム経由でマーケットデータを取得するのにも向いているサイトです。

日本の情報ベンダーや経済新聞も,これぐらい充実してくれれば良いですね。それに世界中のどこかで無料で公開されているデータをいまさらお金を取って配信するのは止めてくれないかな。

***

ところで,今週はいったんユーロの勢いがなくなりましたので,今週のユーロドルとドルスイスの予測はめちゃくちゃですね。しかし,週後半にだいぶ盛り返してきて,来週には少し期待が持てるようになりました。

中央銀行のガバナンスについて

BISが5月に中央銀行に関するガバナンスのレポートを公表してくれています。その名も"Issues in the Governance of Central Banks"で,201ページもあるPDFファイルです。全部を取り上げることはできませんが,以下のような点は大変興味深い考察です。

■ 中央銀行は物価安定に専念すべきであり,資産価格変動に事前に直接反応するのは適当でないのか(FED View)
■ あるいは将来の金融危機を予防するために,中央銀行の果たすべき予防的役割はあるのか(BIS View)あるとすれば,そのための新しいツールとは何か
■ 金融政策の決定に関する独立性の維持と決定の質の向上のために,個人ではない政策決定委員会はどのように貢献できるのか
■ 中央銀行が上げる収益に見合った金融関連資源の必要十分な確保とはどの程度のものなのか
■ 中央銀行は明確に示されたルールに従って,余分の人的・物的資源をどのように処理すべきか
■ 中央銀行の目標の「見える化」とその追求のために,どのように説明責任を果たすべきか

などが各国中銀の豊富な例ともに議論されていきます。トリビアとしては,FEDの中で電子システムの構築に責任を持っているのはリッチモンド連銀だったなんていうことを私は初めて知りました。←本質よりトリビアに感心してしまう自分がいたりする。(笑)

これは,広範な「中央銀行論」の教科書と言えるでしょう。あわてて読む必要はありませんので,いつか読み通したいと思っています。(今晩はFCバルセロナ−マンチェスターUのCL決勝があるから無理!)

あらゆる相場に適用可能なシグナル

このエントリは,通常のテクニカル分析とは異なる統計的なエントリシグナルの導出方法の概略を説明するものです。回帰分析に関係する知識が多少必要ですので,その点はご了解ください。

このような統計的なエントリシグナルの導出によると,あらゆる相場(通貨ペア・株式銘柄)に対して同一のロジックを適用でき,もし良いパラメータを設定できれば相当程度堅牢なシステムを構築できます。以下がその概略の手順です。

1.まず,どの市場でも良いので日足4本足(始値・高値・安値・終値)を準備します。
2.次の4つのデータを毎日計算します。
  A:前日の終値−前日の始値 <上昇圧力>
  B:前日の高値−前日の安値 <ボラティリティ>
  C:(前日の高値+前日の安値)/2−前日の終値 <終値の方向>
  D:当日の始値−前日の終値(またはある時点の為替レート) <NY市場の影響>
  ※為替の場合,Dがゼロにならないように工夫が必要
3.前日までのデータに関して,次のような値Eを計算します。
  E:その日の終値>=その日の始値つまり陽線なら1
    その日の終値<その日の始値つまり陰線なら0
4.A,B,C,DをX範囲,EをY範囲として,Excel等で回帰分析を行い,
  切片Z,A,B,C,Dの係数X1,X2,X3,X4を計算します。
  この場合の期間は過去3か月〜6か月程度で良いです。
5.毎日,その日の始値が確定したらA,B,C,Dを計算し,
  予測値P=Z+A・X1+B・X2+C・X3+D・X4を計算します。
  予測値Pは回帰分析の係数と切片の計算に従い,0.5近傍に集中します。
6.ある足切り値α<通常0.05(10%)以下>を決めておき,
  0.5+α以上のとき寄り付きですぐに買います。
  0.5-αのとき寄り付きですぐに売ります。
7.αをあまり小さくすると毎日売買をすることになり,フィルターの役目がなくなります。また,α以外にも,Bの大きさ等に条件をつけて別のフィルターとすることもできます。
8.6と同時に,リミットLとストップSを設定します。
  このLとSは通貨ペアや銘柄にあわせて変動しますが,L>2Sです。
  直近のボラティリティにあわせて自動設定することも可能です。
9.リミットLまたはストップSのどちらにもかからない場合はプラスでもマイナスでも大引けで決済します。為替の場合も24時間後のレートで決済します。

ユーロドル,ポンドドル,ポンド円について上記のロジックで2003年6月から2009年5月まで計算してみました。ただし,α,L,Sの値はそれぞれで多少異なるため併記します。なおリターンはトータルのPIPSで表しています。

【ユーロドル】α=0.02,L=300PIPS,S=100PIPS


【ポンドドル】α=0.04,L=300PIPS,S=100PIPS


【ポンド円】α=0.02,L=400PIPS,S=100PIPS


回帰分析の期間が直近の短い期間ですので,ポンド円以外は2008年半ば以降に急激に収益が上がっています。必ずしも全期間の回帰分析をするのは得策ではなく,直近のデータのみを使用するほうがパフォーマンスは良いです。ただし,過去データにあわせてもそれほどマイナスにはなっていません。これがこのシステムの堅牢さを表しています。ちなみに日経平均先物に対して2003年3月から同様のロジックを適用すると,

【N225F】α=0.01,L=400円,S=60円


収益が8000を越えていますので,先物1枚で換算しても800万円を越えていますが。注目すべきは日経平均先物の場合は全期間にわたって成績が良いことです。ボラティリティが為替より大きくかつ前日の変化に対する反応にもパターン化されたものがあるのかもしれません。さらに,回帰分析する元データに前日のCMEのデータを加えるともっと精度が上がる可能性もあります。

これらはちょっとしたヒントに過ぎません。テクニカル分析と言っても移動平均やよく知られたチャートのための指標ではなく,こういう統計的方法も実はあるということを知っていただくのが,このエントリの目的です。

ドル円・ユーロドル・ドルスイスの展望【09/05/25の週】

先週はこれでもかと言うほどドル安要因が出て,ドル全面安になりました。私も中期予想ではユーロ安がさらにありえると宣言したのに,ユーロドルは1.40ドルを越えてきました。予想しない相場の変動を受けると,たいていの人は自分の相場観にバイアスをかけてしまい,ユーロドルが上抜けた現状を否定したがる傾向があります。こういうときにファンダメンタル分析で突き進むと,

「これは一時的なものだろう。」
「1.43ドルまではいかないだろう。」
「ユーロ安の要因はこれとこれ」

というように,都合の良いデータだけ使いたくなるのです。冷静にテクニカル分析に徹したほうがいいのはまさにこういう時です。



ドル円は,予想が96.20円-92.80円で,実際は96.69円-93.84円(終値94.78円)でした。上限・下限とも少しドル安に見積もったものの,ドル円のレンジ相場に変化はありません。これは,目下の市場の関心が欧州通貨とドルに力関係にあり,円はドルと連動して動いていることの証左です。下限については,93.54円(3月19日の安値),92.75円(2月23日の安値),および92.50円(2月20日の安値)がすべて守られていますので,この3つのサポートが有効であると考えられます。上限は,96.69円が直近の戻り高値ですから,当面はここを越えることが目標です。96円台のショートポジションが投げられるには97円台後半までの上昇が必須ですが,今週はがんばっても97円台前半でとどまってポジションは守られると予想します。よって,今週の上値は97.20円程度と予測し,下値は93.00円程度と予測します。



ユーロドルは,予想が1.3640ドル-1.3280ドルで,実際は1.4049ドル-1.3423ドル(終値1.4003ドル)でしたので,下限には遠く及ばないばかりか,上限ははるか上にぶっちぎられました。上限については,昨年12月28日の高値1.4363ドルはまだ遠い気がしますが,今週の早い段階で1.41ドルを越えてくるようなら1.43ドル直下までの上昇は考えられるところです。一方,先週までの上限の根拠となった3月15日の週の高値1.3737ドルが,そこを越えてから買い上がった連中のサポートの基点となっていますから,下限についてはだいたい1.37ドル台のどこかで止まると予想しています。よって,今週の上値は1.4270ドル程度と予測し,下値は1.3760ドル程度と予測します。



ドルスイスは,予想が1.1420フラン-1.1120フランで,実際は1.1263フラン-1.0845フラン(終値1.0809フラン)でしたので,こちらも上限には達せず,下限は大きく割り込みました。いつの間にか金価格も950ドルを越えてきていますのでフラン高の流れはしばらく続くかもしれません。レンジを下抜けしたときの上限はわかりやすく,5月18日の高値1.1263フランにどこまで迫れるかが課題です。とはいえ,先週の5日続落の重しはきわめて厳しいものですので,1.12フランを越えるのはやや困難かと思います。一方,下限については1月4日の週の安値1.0707フランを割るかどうかが焦点です。今の流れでは,1.06フラン台をいったんつけなければ市場に達成感はないでしょう。よって,今週の上値は1.1180フラン程度と予測し,下値は1.0690フラン程度と予測します。

しばらく静かだったシステムのほうも今週からやっと始動したようです。長らくレンジ相場だった為替市場も経済指標やイベントで変化が現れるのでしょうか。こういう週は経済指標のマグニチュードよりもイベントに反応したがる市場の流れを読まないといけませんね。予想値とのズレを言い訳にして動くこともあるので,基本的に市場の方向性にあわせた順張りが良いでしょう。

ユーロドル,一気に1.40ドルをつける

今週のユーロドルは5日続騰で,一気に一時1.40ドル越えまで行きました。

Dollar Slips Beyond $1.40 per Euro for First Time Since January

- GMACへの追加資本注入およびGMの破綻確定報道
- 5月フィラデルフィア連銀景況指数のへたれ度合い(-22.6%,予測:-18%,前月:-24.4%)
- 新規失業保険申請件数も高止まり(631K,予測:625K,前回:637K,前回改定: 643K)

など,ドル安の要因はいっぱいありましたが,正直1.37ドル台前半を越えていったん達成感を味わうのかと思いましたが,まったく違いましたね。



今年1月4日の週の高値1.3963ドルを完全に越えました。昨年末も1.43ドルまで行って再下落しましたので,この先の見通しもずっと強気で行く保証はありませんが,レンジ相場だと思って判を押したように戻り売りをする連中は疑心暗鬼になるでしょう。こういう局面では,

■ ユーロドルは,1.43ドルあたりまで戻り売りしても良いですが,踏み上げられたらしっかりドテンすることが大切です。
■ また,あっという間に先行きの予想が変わってしまうのが現状ですので,ポジションの積み増しは逆張りの場合は特に控えたほうが良いでしょう。
■ 欧州市場や日本市場に対する評価が少なく,ECBのボンド買い切り額報道を除いて市場に材料を提供しない現状では,クロス円はドルストレートに比べれば静かな局面が続くでしょう。
■ ポジションを間違えたら早めに撤収しましょう。「改むるにはばかることなかれ」です。

個人的にも,先週以降は週単位の予測がうまくいく気がしておりません。裁量トレードはしばらくお休みと言ったところです。

また,WTI原油価格がいつのまにか1バレル60ドルを越えています。ユーロドルとの相関関係が今年3月以降は顕著であることも確認しておきましょう。



図は今年2月2日から5月15日までのユーロドルとWTI価格の日足終値の散布図ですが,推移がわかるように各点を時系列にしたがって線で結んでみました。相関のはっきりしない赤い点の2月中はWTIはほぼ1バレル45ドル以下で拡散しています。一方,3月以降はユーロドルとWTI価格の強い相関関係が右肩上がりの図に表わされています。

最後にふれておくと,22日の日銀政策金利決定会合は予想通り金利据え置き(0.10%)でしたが市場は華麗にスルーでした。そりゃあまあ,景気判断引き上げと下振れリスクをセットで扱えばそうなりますわね。総裁自身がリップサービスをしませんので,大きくインパクトを与えずに会見を乗り切る状況は白川日銀にとっては得意技の一つかもしれません。報道各社のヘッドライン的にはどうにも面白みがないですが…

皆様今週もお疲れ様でした。散文・雑文…恐縮です。

SECの一部機能がFEDに移管!?

U.S. May Strip SEC of Powers in Regulatory Overhaul (Update2)

SEC(米証券取引委員会)は,金融危機の責任の片棒と Bernard Madoffの巨額詐欺事件を見抜けなかったことを重視されて,完全にスケープゴートにされています。SECの委員長 Mary Schapiro が抵抗しているようですが,ガイトナー財務長官はSECの一部機能をFEDに移すように,もう決意しているようですね。

このSchapiroという人,1月にオバマ大統領から無能の人 Christopher Cox の後任として任命されたばかりで,とばっちりを受けてかわいそうといえばかわいそうです。しかし,SECの委員会には5人しかメンバーがいないと書かれていて,たとえ部下がいるとしてもちゃんと監視するにはもっと人が必要ではないでしょうか。あげくに,先週のある上院議員のレポートによると,SEC関係者である弁護士2人にインサイダー取引疑惑が持ち上がっているようですので,ほぼジ・エンドと違いますかねえ。

一方,強力なFEDの監督を恐れてか,年金基金や他のファンドからは現在のSECの権限をそのまま守らせるように関係議員にロビー活動が行われているようです。

どこの国でも政治家も官僚も権力闘争および権限の確保の余念がないです。見方を変えると,こういう話が出てくると言うことは,システミックな金融危機の峠は越えてあとは景気回復を目指すだけという気の緩みが出てきているのかもしれませんよ。

VIXもほぼ正常値に戻りましたし…

VIX Falls to Lowest Level Since Lehman’s Bankruptcy (Update2)

今後の為替中期予想 - 2009春

春というより初夏が近づいている2009年5月になりました。私が今考えている2009年今後の為替の中期予想をあげておきます。

■ ユーロ経済はまだ不透明なので,ユーロ買いは短期のみ
直近,米国経済にちらほら自立回復に近いニュースもある中,ユーロ圏は悪い経済予測が出たきりでまだまだ詳細については不透明です。現在のユーロはちょうど「噂で買われている」あるいは「消去法で買われている」といっても良いのではないでしょうか。私の個人の予測では,ユーロドルがもう一度1.30ドルを割るときはさらに下落する前兆だと考えています。そうなったらロングポジションを持っていても売り転換です。米国に比べて情報の少ないユーロ圏の場合は,そういう通貨レートのレベルでタイミングを計るしか確実なものはないと思います。

■ ユーロが悪くなるとポンドにお金は逃げる
英国の住宅価格のチャートには下げ止まり感があります。今後ユーロ圏の落ち込みが本格化してユーロが売られるようになると,今度はポンドが買われるようになると思っています。その点,英国はEMUから離脱していてある意味正解だったのかもしれません。英国は為替トレードの額が半端ではない国ですが,彼らにとってユーロポンドなどはさしずめ日本人にとってのドル円のような感じでしょうから,退避するならポンドで決してスイスフランではないと思っているはずです。

■ 円は今から買えるかどうか−まだ未定です
直近ではやや円高になる傾向も見られます。しかし,これも日本経済に回復の兆しが鮮明になったというよりもむしろ,買いたい通貨がないから買われたユーロのような消去法の選択です。一方,2005年郵政選挙以降に日本の株式市場に外国人投資家のマネーが大量に流入したように,今夏の衆議院選挙で民主党の政権交代などのイベントがあると一挙に本格的に円高になる可能性もあると思います。民主党には円高になると輸入物価が下がって庶民にとって良いことであると真剣に考えている人が多そうでもありますし…そういう原理主義者のような一方的な考え方で経済は決まらないと思いますけど。

■ 米経済の遅行指標の悪化はチャンスと思う
先行指標が良くなりつつある現在,失業率や小売売上高などの遅行指標は遅くまで悪い可能性がありますが,実際には米経済は底を打っているかあるいは諸外国の中で最初に(持ちこたえている中国は除いて)経済が立ち直ると思います。ですから,どんな銘柄を選ぶかももちろん大切ですが,次に遅行指標が悪化したら,時期としては米国株式およびドルの押し目買いのチャンスと思うべきだと考えています。

※注:為替に本当の長期予測などできないと思っているので,4つのうち2つか1つでも実際に上記のようになれば幸いです。もし,間違いだと思ったら途転(ドテン)してくださいね。

ドル円・ユーロドル・ドルスイスの展望【09/05/18の週】

新型インフルの日本での感染数も加速度的に増えているような報道がなされているこのごろ,先週はドイツのGDPの落ち込みが報道されて,いったんドルから欧州通貨に退避した資金が短期的に円に移動して円高が進行しています。とはいえ,米国経済指標はそれほど悪くありませんし,対米証券投資も3月分ですが買い越しに転じています。

米5月NY連銀製造業景況指数: -4.55 (予想:-12.00,4月:-14.65)
米3月対米証券投資トータル: 232億ドル買い越し (2月:911億ドル売り越し←970億ドル売り越し)

いよいよ,市場の目が本格的に欧州経済に向かうようになったのでしょうか。



ドル円は,予想が99.90円-97.10円で,実際は98.79円-94.72円(終値95.11円)でした。上限は思ったより伸びず99円を越えませんでしたし,下限は久しぶりの円高の流れで94円台に突入と予想を大きく下回りました。もはや,4月30日の上昇基点はこの下落によって無効とされました。さらに,4月28日の安値95.61円はドル円が96円以上にとどまるアンカーだったはずですが,それを下抜けされたため今後は下値を探る展開となります。今週は3月19日の安値93.54円を突破するかどうかに注目しています。これは,2月20日から2月23日にかけてのもみ合い箇所でもあるからです。このレベルを下に抜けるとまた90円台まで下落する展開が考えられます。下値は,願望もこめて92.80円ぐらいですかねえ。上値は,当然のことながら戻り売りによって重く,96円前半ぐらいで抑えられると思っています。よって,今週の上値は96.20円程度と予測し,下値は92.80円程度と予測します。



ユーロドルは,予想が1.3780ドル-1.3280ドルで,実際は1.3721ドル-1.3461ドル(終値1.3489ドル)でしたので,上限も下限もレンジを広く予想しすぎました。当面の円高はいったんドル安・ユーロ高になった流れも引き止めているようです。先週は安値が3日続落して更新でしたが,上値も重く,5月15日の流れでも1.36ドルに近づくにつれて強く戻り売られました。そこを越えると1.36ドル半ばが5月14日の流れでも天井ですので第2の関門と思っています。一方,下値は下落傾向が続いており先週の予想に近づきあるということで同じレベルを維持します。よって,今週の上値は1.3640ドル程度と予測し,下値は1.3280ドル程度と予測します。



ドルスイスは,予想が1.1340フラン-1.0860フランで,実際は1.1246フラン-1.0976フラン(終値1.1219フラン)でしたので,こちらも上限も下限もレンジを広く予想しすぎました。5月13日に1.10フランをいったん割りましたが同じ日に切り返し,また翌日の下落の動きも阻止されました。5月15日の上昇では1.1120フランあたりの戻り売りを投げさせながら上昇してきましたから,下値はこのあたりを考えておきたいです。一方,上値は4月29日の高値1.1445フランおよび5月4日の高値1.1420フランからの続落傾向を突破できる勢いがあるかどうかが焦点です。当面は1.14フランをどう越えていくかが課題となるでしょう。よって,今週の上値は1.1420フラン程度と予測し,下値は1.1120フラン程度と予測します。

ところで,今週からNFAの規制のために米国の為替・先物取引で同一口座による両建てが禁止されました。理由はポジションが複雑になり決済が遅れて損失が拡大するのを防止するためだそうですが,複数口座を持っていたらOKなのでザル規制でしょう。

こういうザル規制が,ここ数年の金融市場の無法地帯形成を助長したのだと思いますが…やっても意味のないことはやらない&やるべきことはきちんとやる。金融行政にはこういう断固とした決意と実行が必要だと思います。

2009年4月YTDヘッジファンド成績

12月分を最後にして3か月ほど様子見をしようと決めていたヘッジファンドの成績ですが,延び延びになって5月になってしまいました。4月までのヘッジファンドの成績の推移を確認したいと思います。



図1が代表的な10種類のファンドの成績の推移ですが,3月以降になってロングオンリー戦略ファンド,エネルギーセクターファンド,エマージング市場ファンドの収益が飛躍的に改善してきました。また4月には10種類すべてがプラスの収益です。ヘルスケアセクターファンドとオプション戦略ファンドは市場がどう転んでもそこそこ堅調な不思議なファンドです。



次が,全セクターの4月までのYTDパフォーマンスの図2です。ベスト10およびワースト10の順にもリストしてみましょう。

30.58%:スペシャル・シチュエーションファンド
16.35%:転換社債裁定ファンド
15.68%:エネルギーセクターファンド
10.59%:モーゲージ組成ファンド
10.42%:バリュー投資ファンド
10.25%:イベント主導型ファンド
9.61%:エマージング市場ファンド
8.95%:統計的裁定ファンド
8.48%:ロングオンリー戦略ファンド
7.71%:カントリー特定投資ファンド

-5.53%:ショートバイアスファンド
-3.28%:CTA商品先物ファンド
-1.03%:短期トレードファンド
1.51%:マクロファンド
1.51%:マーケットニュートラルファンド
1.68%:ディストレスドファンド
1.78%:資産賃貸ファンド
2.88%:企業合併裁定ファンド
3.31%:仕組み債裁定ファンド
3.40%:マルチ戦略ファンド

ほとんどのファンドが昨年散々だったパフォーマンスの分を取り返している
ようです。FEDが供給している資金が,様々な取引を通して間接的にこういうヘッジファンドに流れて彼らの収益に貢献しているという話もあります。ただし,売りから入り昨年上々だったショートバイアスおよび為替・商品系のファンドのパフォーマンスは良くありませんね。

それにしても,ヘッジファンドの種類の多さを考えると,やっているレベルには個々に差があっても,そのトレーディングアイディアの豊富さと不屈の精神にはまったく脱帽します。我々も停滞は許されませんよ。

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管理人のニックネームEURO SELLERの由来は,2005年6月の欧州憲法の否決の際にユーロを売りまくったことからきています。もう一つのシステムトレードのブログはこちらです。

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