EURO SELLERの為替・投資戦略ブログ

2005年6月の欧州憲法否決の際にユーロを売りまくった管理人の【新】為替・投資日記ブログです。くれぐれも投資行動は自己責任でお願いします。

空売りされない米国非金融株

VIXが46まで上昇したおかげで,本当に優良な会社の株なら買ってもいいかなと思えるようになりました。でも,金融株は何があるか分からないので…



BreakScanさんBespokeというサイトで見つけてくださったのですが,金融株でもないのにSECへの強力なロービー活動の結果でしょうか,空売り禁止された少なくない会社の株の銘柄があります。図の円グラフの右下のティッカーシンボルのものがそれに当たります。

会社名を列挙してみましょう。

【AET】 Aetna Inc. (ヘルスケアサービス)
【CI】 CIGNA Corporation (ヘルスケアサービス)
【CVH】 Coventry Health Care, Inc. (ヘルスケアサービス)
【ESRX】 Express Scripts, Inc. (ヘルスケアサービス)
【F】 Ford Motor Company (自動車会社)
【GE】 General Electric Company (コングロマリット)
【GM】 General Motors Corporation (自動車会社)

【HRB】 H&R Block, Inc (納税者のための金融サービスの会社:金融セクターに同義)
【HUM】 Humana, Inc. (メディケア・サービス)
【IBM】 International Business Machines Corporation (コンピュータ会社)

【MHP】 The McGraw-Hill Companies, Inc. (出版社)
【MHS】 Medco Health Solutions, Inc. (ドラッグストア)
【UNH】 UnitedHealth Group Incorporated (ヘルスケアサービス)
【WLP】 WellPoint, Inc. (メディエイド・サービス)

※一般に介護やヘルスケアサービスの会社が多く,公共性を考慮したともいえなくもないですが,太字の会社だけは国策で株主を損させないためかもしれないです。こういうのも米国の政治の奥の院が勝手に決めることでしょうか。あと,マグロウヒルが入っているのも謎です。

DJIA -777.68 on 2008/09/29

U.S. Stocks Plunge After House Votes Against Bailout Plan

追記:月曜日のThe Troubled Asset Relief Program(TARP)の否決投票内訳
民主党 賛成140 反対95
共和党 賛成65 反対 133 棄権1
計 賛成205 反対228



金融安定化法案のサプライズ否決で,NYダウが史上最高の暴落です。こういう日は記録だけのエントリのエントリがあっても良いでしょう。



引けにかけてパニックの投売りが進行したようです。



しかし,目立つのがこの方ばかりで,議会対策はお任せしても良いとは思いますが…



市場と対話すべき人は,この人だと思うんですが。
緊急会見でも談話でも何でも出せや!

ドル円・ユーロドル・ドルスイスの展望

週末に個人的なイベントがあり,グラフは先週までのものをキャプチャーしてありますが,今週も月曜日早朝までの更新が出来ませんでした。金融安定化法案も徹夜折衝の成果(笑)があって,拠出資金への議会のコントロールを強めるという形で大筋合意したようです。こういうもやもやしてどうなるか分からない週は無理にポジションを取る必要はありません。今週から頑張ればよいのです。



ドル円は,週足で陰線で終わったものの,下値は105円台をキープし上値は107円という非常にタイトなレンジの動きに終始しました。週初めの予測では103円-108円と少し波乱を見込んで考えていたのですが,様子見の雰囲気が強いようです。しばらくは週足でも一目均衡表の雲が103円前半から110円に掛けて非常に分厚くなっています。先週よりは確実にドルに対するセンチメントは改善に向かうでしょう。また,105円台のキープは月末の要因で確実と思われます。気になるのは金曜日の雇用統計ですが,これも最初から悪い予想ならサプライズにはならないと思います。よって,今週の上値は先週と同じく108円程度でリミットが来ると予測し,下値は104.30円程度でサポートされると予測します。



ユーロドルは,原油価格上昇などの影響を受けて,月曜日に1.48ドル台まで上昇しましたが続く4日間はその高値を更新できませんでした。一方,下値が1.44ドル台半ばまでしか落ちなかったのが意外でした。テクニカルには,1.49ドル台に強い抵抗帯がありますので,現在は1.50ドルを越えるまではロングへの転換は考えていません。また,米国の金融安定化法案が大筋合意し,英国の中堅中銀の国営化のニュースが流れるなど次なる市場の心配は徐々に欧州の金融機関に移行していきますが,ユーロが猛烈に売られるべき要因も顕在化していません。よって,今週の上値は1.4750ドル程度と予測し,下値は1.43ドル程度と予測します。



ドルスイスは,2週続けての陰線でかつ下値が久々に月曜日に1.06フラン台をつけましたが,その後4日間は着実に反転しています。また,現在のドルスイスロンガーたちのベースラインは1.0925フランあたりにあると思っています。大幅にそこから下落すればストップをつけることもありますが,そうでなければ,既に始まっている今週のようにそれを超えていく勢力がやや優勢でしょう。ドルに対する懸念がひとまず軽減されましたが,様子見気分は抜けていませんので,今週の上値は1.1060フラン程度で,下値は1.0850フラン程度と予測します。

今週は,9月末まではドル堅調が予想され,その後雇用統計がどうなるかということですが,当面の材料出尽くし感も強く先週より小動きになるかもしれません。今週はどの通貨ペアもあまり値幅を取らずに,速やかなポジション構築&手仕舞いがお勧めです。

金融経済に翻弄される実体経済

朝ナマなどを見ると,相変わらず日本の議員さんの中には金融経済を目の敵にしているかたもおられるようです。が,好き嫌いは勝手ですがその規模が実体経済を上回るようになると嫌いだからといって無視することはできません。そこで,現在の金融経済をどう見るかという視点で一つエントリを立てました。

■ いつまでも金融経済は「尻尾」ではない
水野和夫氏の著書「人々はなぜグローバル経済の本質を見誤るのか」では,「これまでは金融経済は尻尾であり,実物経済(原書のまま:経済は物ではないので実体経済という表現のほうが私は好き)が頭だった。」と述べていますが,この過去形の表現どおり,米国が膨大な貿易赤字を埋め合わせるために金融立国を目指して世界中からお金を集めまくった結果,金融経済の取引額は実体経済の貿易額をはるかに超えるようになりました。今ではいわば,金融経済が「頭」になり,実体経済が「尻尾」に転換したのです。水野氏はこの転換点が1996年あたりだと言っていますが,21世紀になってその逆転した格差が広がったことは言うまでもありません。

1999年のグラム・リーチ・ブライリー法は共和党の自由放任指向が大きく出ている改正法案でしたが,投資銀行を野放しにした一方で,証券会社の監督管轄をFRBに引き戻して金融コングロマリットの形成を容易にした上でSECの規制を弱めたともいえそうです。皮肉なのはSECがちゃんとしないからだとその働きを非難したのはこの法案に賛成したマケイン共和党大統領候補でした。それはさておき,人々は規制のない中でいかに利益を上げようかとレバレッジを掛け,住宅価格の上昇をてこにして各種金融派生商品が膨大に生み出されていきました。

■ 金融経済が主役になるとストックではなくフローを見ないといけない
そういう中では,経済をマネーストックではなくマネーフローで見る考え方が必要になってきます。例を挙げると株式投資をするとき,一昔前ならその国のGDP・失業率・景気動向・個別企業の業績予想などを加味して,この株は上がるぞとか下がるぞと考えればよかったわけです。この会社は在庫が増えたから,あるいは新製品を出したから業績がこうなるというのもやはりマネーストックに依存した考え方です。

しかし,金融経済が主役になると,実体経済をあらわす指標だけでは物事が判断できなくなりました。実体経済とは別にその株への投資を行うビッグ・プレーヤーが出現したからです。現在,米国の金融危機により2,3年前にBRICsを始めとする新興国に投資された米国の資金が米国内にレパトリエーション(本国還流)しています。そうすると,新興国企業の業績がいいのにその企業の株価が下落するということがありえますし,今夏以降は実際にその傾向が強まっています。個別企業の将来性・業績予想だけで判断すると大変なことになる典型例といえるでしょう。

■ 具体的には金利・信用リスク・マネーの出入り(為替)を見ること
幸いなことに,最初に株式市場に参入せずに為替市場を先に知った私は,もともと経済動向をマネーフローとして見ることができました。為替市場は国家間のマネーのフローですし,キャリートレードの例を取り出すまでも無く,為替市場の変動には各国の政策金利が大きく関係しています。金利に注意を払うということは,お金をどの市場で運用するかという金融経済の投資戦略の根幹をなすものです。でも,この意味でインターバンク市場およびオープン市場で活躍する債券市場関係者は一歩も二歩も先を行っています。彼らは変動金利で資金を調達して固定利率の債券を購入するということやその逆をやっているからです。また,同じ考えで固定金利と変動金利の受け払いである金利スワップも行っています。

彼らに及ばないまでも,我々も各種金融派生商品の利回りや株式投資のリターンもこうした金利の上下との兼ね合いおよびその投資先を選ぶ際のリスクで考えることが大切となってきます。一例として信用リスクを計る一つの指標を考えましょう。現在の状況のように信用不安が高まって金融機関がお金を貸さなくなってくると,余ったお金は当然安全な投資先である国債(日本ではJGBおよびグローバルには米国債)に集まってきます。そうすると債券価格は上昇しその利回りは低下します。一方,信用不安が高まっているので資金調達コストは高いままです。



この資金調達コストと債券利回りの差の代表的なものにTEDスプレッドがあります。これはTreasury-bill and Euro Dollar Spreadの略で,3か月物米短期国債(T-bill)先物と3か月物ユーロドル(EuroDollar)LIBOR(ロンドン銀行間市場金利)先物との金利差のことです。この差が広がれば,ドルの需給が逼迫し,かつ株式市場や商品市場からも資金が逃避するのは容易に想像できるでしょう。(まだ紹介していないなら,是非テレビ東京系の「モーサテ」の「マーケットウメダス」でLIBORだけでなくTEDスプレッドも紹介してくれたらいいですね。)資金が借りにくくても安い債券なら買いたいという裁定が働くので,単なるLIBORよりお金の流れをつかむのに適切と思います。

■ まとめ
為替取引をする人はあらゆる指標の影響を受けるので,逆に「藁をもつかむ気持ち」でこういう指標なども気にしているのですが,純粋に株式投資に携わる人もこの金融経済激動の時期には,幅広く金利・リスク指標・為替などの動向を追ってみることはいかがでしょうか。

それがいやなら,為替取引も株式投資も純粋にテクニカル指標だけを見て行うべきです。中途半端は何事もいけません。

金融破綻が起きてもGDP2.8%成長とは

U.S. Economic Growth Slower Than Initially Estimated (Update2)

速報値(1.9%:7/31)から改定値(3.3%:8/28)まで上がった後,今回の(修正)改定値(2.8%:9/26)となりました。

このニュースを見て庶民感覚で思うことは,

■ GDPって結構いい加減だなあ…(*注)
■ バタバタと金融機関が破綻しても実体経済には影響ねえのかねえ
■ 実は,ブッシュ政権は金融界におもねっているだけなんじゃない?という疑問です。

こんな風に思われてしまうと,今回の金融安定法案(本当は救済法案=bank rescue planなのに日本語では穏便に表現されています。)の成立がますます遅れますので,投資家としてはまずいですね。

それとも,もう2,3行つぶしても問題なかったりして…ということはないと思います。今回改定されて発表されたのは2QのGDPであり,現在進行中の3QのGDPは今回の発表よりはるかに悪いはずです。

*注:
GDP速報値:その期が終わってから約1か月半後に発表される統計です。
GDP改定値:速報値が発表された1か月後に発表される統計です。
GDP(修正)改定値:今回の発表はさらに調整された統計です。期間中に大きなインフレ亢進などの経済変化があると,度々修正されます。
GDP確定値:年末に発表されるものは4Q以外は完全に確定した統計となります。

ほぼ2週間で化粧直し−方丈記の巻



金融安定法案の協議難航でぐだぐだした相場が続きますが,皆さんいかがお過ごしでしょうか。

バークレイズ・キャピタルに買われたリーマン・ブラザーズの北米部門ですが,ビルのロゴが一新されました。図1は元のビルで「吉原炎上」みたいに赤系統で染まっていたのですが…



図2のように,破綻して従業員が荷物を運び出し霧散しました。



そして,図3のようにブルー一色のコーポレート・カラーで広告ロゴが一新されました。

Barclays Puts Logo on Lehman Office, Gets 32-Floors of Anxiety

「ゆく河の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず。よどみに浮かぶうたかたは、かつ消えかつ結びて、久しくとどまりたるためしなし。世の中にある人とすみかと、またかくのごとし。

これは有名な「方丈記」の一節です。まさにその通りではないでしょうか。ついでに,その後も引用すると全体がまた何とも言えない風情です。あえて現代訳や解釈は載せませんが,卓越した古典をゆっくりと味わってください。

「たましきの都のうちに、棟を並べ、甍を争へる、高き、卑しき、人のすまひは、世々経て尽きせぬものなれど、これをまことかと尋ぬれば、昔ありし家はまれなり。あるいは去年焼けて今年作れり。あるいは大家滅びて小家となる。住む人もこれに同じ。所も変はらず、人も多かれど、いにしへ見し人は、二、三十人が中に、わづかにひとりふたりなり。朝に死に、夕べに生まるるならひ、ただ水のあわにぞ似たりける。知らず、生まれ死ぬる人、いづかたより来たりて、いづかたへか去る。また知らず、仮の宿り、たがためにか心を悩まし、何によりてか目を喜ばしむる。その、あるじとすみかと、無常を争ふさま、いはば朝顔の露に異ならず。あるいは露落ちて花残れり。残るといへども朝日に枯れぬ。あるいは花しぼみて露なほ消えず。消えずといへども夕べを待つことなし。」



最後は,Google StreetViewのおまけです。現在のキャプチャーは旧ロゴのままです。

ザイFX:記事アップのお知らせ(その2)



ダイヤモンド・フィナンシャル・リサーチ社のザイFX!サイト様から,下記の第ニ回目の記事がアップされました。以下のリンクです。

緊張下にある世界経済。大揺れの為替相場を乗り切るための3か条とは?(2)

第2弾の取材の後半部分です。この時期,マーケットに長くとどまることは自らをリスクに晒すことになります。そして,短期売買のためにはテクニカル分析の勉強が必要です。

業界再編加速 - WaMuも破綻&資産売却



JPMorgan Buys WaMu Bank Business as Thrift Seized (Update3)


ついにWaMuが,米国の銀行史上最大となる経営破たんをしました。JPモルガン・チェースがその全資産を19億ドルで取得したようです。顧客預金については連邦預金保険公社(FDIC)が破産管財人になり保証されています。

金融安定化法案を通すためのダメ押しとなるかどうかは分かりませんが,バーナンキ議長が言うように「つぶせない企業が多すぎてはいけない」ので,業界再編が先に進み,それでも立て直せないものがつぶれていくのでしょう。

ザイFX:記事アップのお知らせ(その1)



ダイヤモンド・フィナンシャル・リサーチ社のザイFX!サイト様から,下記の第一回目の記事がアップされました。以下のリンクです。

緊張下にある世界経済。大揺れの為替相場を乗り切るための3か条とは

特別なことは言っていないのですが,ここから抜き出した3か条について受けた取材の内容が掲載されています。

バフェットはみんなの絶望と悲嘆の後にやってくる

Goldman Gets Buffett Aid in $7.5 Billion Fundraising (Update2)

いやいやこのお方はいつもながらタイミングが絶妙で…
逆に言えば,同時期にモルスタに9000億円出資することにしたMUFGも良いディールだったということですね。

投資銀行モデル+金融資産証券化技術は,グラス・スティーガル法およびその不完全な改革(*注)を逆手にとってBIS規制を逃れて荒稼ぎするやり方でしたが,投資銀行もモーゲージ証券も規制がゆるゆるだったので今回のような行き過ぎが生じたのだと思います。

これまでの"投資銀行"もFRBの監視下に置かれ,かつ今後は証券諸法(1933年証券法,1934年証券取引法,1939年信託証書法)の例外規定をなくす方向に法律整備が進んでいくのではないでしょうか。そして,格付け機関もなんとかせねばね…

注:1999年のグラム・リーチ・ブライリー法によって金融制度改革がなされても,投資銀行は依然としてFRBの監督下になかった。BOJ論文の「米国における金融制度改革法の概要」を参照のこと

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管理人のニックネームEURO SELLERの由来は,2005年6月の欧州憲法の否決の際にユーロを売りまくったことからきています。もう一つのシステムトレードのブログはこちらです。

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