EURO SELLERの為替・投資戦略ブログ

2005年6月の欧州憲法否決の際にユーロを売りまくった管理人の【新】為替・投資日記ブログです。くれぐれも投資行動は自己責任でお願いします。

10年前の永島理事の予測

FXの口座数が1年で約2倍に

というFX口座倍増のニュースも流れる折,外為法が改正されたのがちょうど10年前の1998年4月でした。

FXに投資するものとして,外為法改正前夜に日銀当局が個人投資家の動向にどういう見識を持っていたのかは興味の尽きないところです。さっそく10年ぶりに公表された日銀金融政策決定会合議事録に当たってみました。

政策委員会・金融政策決定会合議事録
開催日:1998年3月13日
原文:http://www.boj.or.jp/type/release/teiki/gijiroku/gjrk980313a.pdf
中川委員(質問者)
日米の長期金利差に関して、4.335%という直近の水準については、どのように評価しているのか。日米の投資家、内外の投資家の行動に影響を及ぼすのは、金利差だけでなく、為替の動きなどいろいろあるので、評価が難しいのはよく分かるが、4月以降、外為法改正により為替管理が原則白由になる。一般的には為替管理の白由化そのものによって、為替や、内外金利差に影響が及ぶようなことは余り意識しなくても良いのではないかと思うが、実際現在のような金利差があると、為替も動向によっては影響を受けることは否定できないだろう。その辺の投資家の行動については、どのように考えればいいのか。
後藤委員(質問者)
中川委員の今の指摘に関連するが、今回の外為法改正以前に為替管理は原則白由化されており、為替リスクもあるので、今年の4月から資金の流れが急に変わることはないと思う。ただ、内外金利差が現在のように開いている状況の中で、今圓の外為取引の完全白由化的な措置に伴い、取引コストが大幅に低下してくることの影響は考えないといけないと思う。為替リスクに対する考え方も、為替取引が自由になると少し変わってくるのでばないかと考えると、内外の金利裁定が若干強まり、資金の流れに常識的に言われているよりも影響が出てくるのではないかという気もする。4月のことを視野に入れて考えると、その辺りはどうなるのか。

それに対する永島旭理事の回答です。

永島理事:
非常に難しい質問であり、4月以降ふたを開けてみないと分からない面もあるが、投資家等から聞いている話と、私の個人的な見方を交えて答えると、まず、今の金利差というのは相当大きいので、普通であれぱ今度の外為法改正がある、ないにかかわらず、相当の規模で対外投資が行われる筋合いにある。
→円キャリートレードが進むはずという当初の予測が外れて…

ところが、昨年の後半位からむしろ全体としては回収が増えている。回収が増えている背景としては、銀行が為替の動きには関係なく、外貨資産を減らしていくこととの見合いで、外貨債務を返済していることのほか、生保も体力が段々落ちてきているので、中小を中心に利が乗っているうちに外貨資産を売ってしまおうということで、大量に処分していることが指摘できよう。この傾向は現在も続いており、海外では俗にrepatriationと言っているが、益を出して日本に引き揚げてしまうという動きから、むしろ回収超になっているという姿である。
→3月に訊いてはこういう答えになるのかもしれませんね。あと,前年から始まったアジア通貨危機の影響を受けていて,外貨資産はしばらくこりごりという傾向もあったのではないでしょうか。この後,いよいよロシア財政危機に続きますから,8月以降にどういう話し合いがもたれたのか次の開示に非常に興味があります。

この間、個人の外債投資はどうかというと、一時相当増加したが、円高になった局面で、大やけどをしたので、その後遺症がまだ残っており、現在のところどんどん増えるような状況ではない。従って、外為法改正によって何が変わるかというと、こういった直接の外債買いではないだろう。新しくいろいろなものを組み合わせてリスクをヘッジしたような新商品が売り出されてくれば、そうした商品に個人や機関投資家が食いついていくかも知れないが、それがどの程度になるのかというところの見通しは、今一つはっきりしない。
→いつの時代も円高でやけどを負った人がいるようです。当時は,証拠金取引に個人が参入するとはまったく思われていなかったようです。たぶん,為替はリスクヘッジするもので差益を取りにいくものとは思われていなかったのでしょう。隔世の感があります。

ただ、後藤委貝が指摘されたように、そういう商品に慣れてくると、投資家の裾野も広がると思われる。特に今のような低金利が続くと、そういう商品の購入は増えていくのではないかという感じがする。従って、目立って急に増えるということはないにせよ、じりじりと日本から資金が流出していくということは十分予想される。しかし、4月になったら、ドラスティックな形で日本からの資金流出が起きて、これが大変な円安要因になるとは恩っていない。
→概ね当たっているのではないでしょうか。

将来を細かに予想することはだれにもできませんので,さらに10年後,どんな投資環境になっているかは及びもつきません。が,大まかな方向性を予想することぐらいはできますし,そういう想像力はいつの時代にも大切だと思います。

「海の色は変わらなかった」が日本は水没するかも…

ちょっと前は,flight to qualityが円やフランであったのですが,いまはそうではないです。相場は将来を先読みしますので,これから景気がより悪くなりそうな欧州や日本の経済のほうをより悲観しています。今はまだ日本株が底だと確信できるレベルではないでしょう?

一方,米国経済について言えば,崖も下のほうまで降り切ると恐怖心がなくなるのです。

【ユーロドル】: この勢いでは来週あたりに1.49ドル台をつけるように市場は動きそう
【ドルスイス】: 同じく1.09フラン台まではお約束で,1.10フランを越えるかどうかが焦点
【ドル円】: オプションで110円を阻止したがっている人がいますが,今晩には110円越えの予感

なお,FXでスワップのみを稼ぎたいなら弱い通貨同士を組み合わせるのが吉
欧州通貨のクロス円ペアはドルストレートペアよりIVが低いと思いますので,一時的な円高で引っかかる程度の指値をして気長に待ちましょう。

(*)表題の「海の色は変わらなかった」は,野村證券元会長・故田淵節也氏が,1989年のバブルがはじける直前に『海の色が変わった』と発言したことを回顧して,昨年11月30日の日経新聞の「私の履歴書」で『その時感じたのと同じような胸騒ぎを覚える』と言及しておられたことに掛けています。

しぶしぶ経済の弱さを認めたトリシェ総裁



Trichet Sees `Particularly Weak' Economic Growth (Update2)

政策金利は現状を維持したものの,"Overall, downside risks prevail.'' と言ったり,"moderate, ongoing growth"という表現が削られたり,とうとうトリシェ総裁も域内経済の弱さを認め始めました。

ユーロ圏にとって問題なのは,伝統的に労働組合が強いためか,物価高で賃金上昇圧力が高まり過ぎることです。結果的になかなか金利を下げられなくなり,オーバーキルによる経済不況が急激に起こりやすいです。デフレを経験している日本とは不況の構造が違うようです。

どちらにせよ,世界経済のデカップリング論はやや時間差がありましたが完全に否定されました。サブプライム問題や信用不安で世界中を混乱に陥れておいて,米国経済だけが先に勝手に回復するとしたら至極迷惑な話なんですが,米国経済とその消費構造は誰にも無視できないものなのです。

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管理人のニックネームEURO SELLERの由来は,2005年6月の欧州憲法の否決の際にユーロを売りまくったことからきています。もう一つのシステムトレードのブログはこちらです。

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