ドル円・ユーロドル・ドルスイス+ポンドの今週の展望

金曜日の方向転換の動きは,ドル安に一息つかせる動きでした。
ドル円は,月曜日の安値が107.円前半まで下がったのですが,週足は111円越えで終値を迎えました。日足を見るとわかると思いますが,11月11日の週にいっせいにドル売りしてきた連中は今週はまだ投げていません。今週の上げが強ければ彼らのストップもつき,112円台回復も見えてきます。111円後半をどのように越えてくるかに注目です。
もし越えてくれば,1円づつ大台をクリアするごとにドル安の補正の動きも強まってくると思いますが,111円台は11月のショートサイドの最後の砦ですから,ここを抜けられないとやっぱりドル安の動きは継続なのかと市場は判断します。そこで,週足でサイコロジカルラインである110円台をキープできるかどうかに注目したいと思います。
最後に,短期トレード派の方針では今週トレードするのもよいですが,長期トレード派としてはこの上昇が本物であることを確認してから参入するほうがよいかもしれません。

ユーロドルは,週足で見る限り長い上ヒゲ陽線に続いて陰の大引け坊主ですから,一旦上げ止まった感じがあります。
ユーロ強気派としては,短期に押し目と見て買って行くのもありえますが,短期的にドルが強くなっていることもあり,1.45ドル台に下落するのかどうか,1.45ドル台に落ちてから底堅いかどうかを確認するのも大切なことです。ここで書いたとおり,1.44ドル台後半から1.45ドル台には猛烈な押し目買いの週がありましたので,想定どおりであれば底堅いことでしょう。一方,1.45ドルを割って金曜日の終値を迎えた場合は,これまでの押し目買いのシナリオを見直すことになります。

ドルスイスは,ドル円の戻りと比べても大変強く,11月11日の週の高値1.13フラン近傍を上回った(つまり1.12フラン台の軽いストップをクリアした)ばかりか,陽の大引け坊主で終わるという大変強気な値動きとなりました。
ユーロドルと裏返しの動きをするとは言え,ドルスイスは戻り売りの節を思い出せないでいます。1.16フラン台からずるずる下げてきた感じですので,1.13フラン後半からは上値の抵抗が無く上昇するかもしれません。あえて言えば,上昇時には2週後の日足での一目均衡表の雲の水準である1.14フラン台後半でのもみ合いが予想されます。
また,1.15フラン台と1.14フラン台の下落には強烈な買い向かいはなく,1.11フラン台から1.12フラン台の上昇にも強烈な売り向かいが無かったことからすると,今のレートが売り方と買い方の心地よい均衡点である可能性もあり,その場合はどちらにも動かず今後の市場ニュースや経済指標待ちなのかもしれません。そうだとすると売りから入るのも買いから入るのもどちらもありえますね。

ポンドドルは,週足で見る限り上昇トレンドの押し目買いレベルにありますが,ここで指摘したとおり,今週はBOEの利下げ観測(12月6日木曜日)がありますから,週の前半に買っていくのは冒険ですね。週の後半に,2.04ドル台で買えたら良いと思います。
なお,図のシステムでは,短期にショートポジションを取っていますが,裁量トレードとは一線を画していて,ファンダメンタルを見ない上にシグナルの有効期間も短いですから,週の前半で勝負がつくでしょう。

ポンド円は,220円の危機が去っただけでなく,週足で安値を切り上げてきました。下値の底堅さが見える限り,223円から230円までの広いレンジ相場で推移するのではと思います。
日替わりのニュースや指標で株や為替が乱高下する時期のポンド円は,本当は売りでも買いでも振動の中心でポジションを取ればたいていうまく生還できます。どうしてこういうことが可能かというと,対照的なハイイールド通貨とキャリートレード通貨の組み合わせであることと,市場の注目の中心であるドルに対して異なった反応をするクロス円の組み合わせなので,幅の広いレンジ相場を形成するからです。これはポンドスイスにもほぼ同じことが言えます。
図のシステムでは,これまた短期に228円台で230円ジャストあたりを目指してロングポジションを取っています。システムでは容赦なく損切りしますので思い切ったことができます。一方,裁量トレードで高値を買う場合は下落時のことが心配ですので,もう少し慎重でも良いともいます。週の後半に,225円台か226円台なら買って行けるのではと思います。